日経サイエンス  2013年7月号

翼を得たシチズン・サイエンス

H. ロズナー(サイエンスライター)

 「花粉を運ぶマルハナバチの国内分布を確かめようと,東北大学や山形大学などの研究チームが住民参加型の調査を開始」(5月3日の日本経済新聞夕刊)。この調査では,マルハナバチらしき昆虫を見つけた人が携帯電話でそれを撮影し,位置情報とともに画像を研究チームにメールで送る。一般市民が参加するこの種の科学活動は「シチズン・サイエンス」と呼ばれ,世界でも特に活発な取り組みが見られるのが米国だ。コーネル大学などが運営する「eBird」は最も歴史のあるプロジェクトで,多くのバードウォッチャーが参加している。これら先進的な米国の事例と最新状況を紹介する。アマチュアが科学に貢献できるチャンスは拡大しているようだ。



マルハナバチ国勢調査

著者

Hillary Rosner

ボルネオからニカラグア,そしてアイスランドからエチオピアまで,世界の環境と科学についてリポートしてきたサイエンスライター。アリシア・パターソン財団から2012年度のフェローシップを得た。

原題名

Data on Wings(SCIENTIFIC AMERICAN February 2013)

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