日経サイエンス  2013年7月号

バイオニック義肢 ロボットアームと神経をつなぐ

D. K. カリン(ペンシルべニア大学) D. H. スミス(ペンシルべニア大学)

 『スター・ウォーズ』ファンなら知っているように主人公ルーク・スカイウォーカーは精巧なロボットアームを装着している。しかし,その動き具合を調べるワンシーンが映画になかったら,ルークが義手であることを画面から感知するのは難しい。ルークの機械の腕は生身の腕のように動かし,感じられる設定になっているからだ。今,実世界でもルークの腕と同じような義手や義足を目指した技術開発が進んでいる。その第一歩は義手の人工筋肉やセンサーにつながる電子回路と,脳から脊髄を経て義手の接続部に至る神経回路を結びつけるインターフェースだ。培養した神経線維と導電性ポリマーのハイブリッドが試作され,動物実験が進んでいる。

著者

D. Kacy Cullen / Douglas H. Smith

カリンはペンシルべニア大学の神経外科の助教で神経工学者。スミスは同大学の神経外科の教授で,脳損傷・修復センターのセンター長を兼務する。アクソニア・メディカルの共同設立者でもある。

原題名

Bionic Connections(SCIENTIFIC AMERICAN January 2013)

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