
ミツバチやアリなどの社会性昆虫は,1匹1匹は非力で頭もあまりよくはないが,群れ全体としては人間顔負けの優れた仕事を成し遂げている。これにヒントを得た人工知能が「群知能」と呼ばれるもので,個別には処理能力の小さなコンピューターやロボットを群れとして協力させることで賢さを引き出す。この記事の著者ら米ハーバード大学のチームは,まさにハチのように飛ぶ大きさ数cm・重さ1g足らずの小型ロボット「ロボビー(RoboBees)」を試作して,群知能を持たせる研究を実施中。そうしたロボット蜂は震災の現場を飛び回って瓦礫に埋もれた生存者を見つけ出すなど,大きな力になってくれるかもしれない。
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著者
Robert Wood / Radhika Nagpal / Gu-Yeon Wei
ウッドはハーバード大学工学・応用科学科のチャールズ・リバー記念教授でヴィース生体模倣工学研究所にも所属。微小ロボットに関する研究で全米科学財団(NSF)から2012年のアラン・T・ウォーターマン賞を受けた。
ナグパルはハーバード大学コンピューター科学科のフレッド・カブリ記念教授でヴィース研究所にも所属。人工知能からロボット工学,生物学にわたる広い範囲で集団行動を研究している。
ウェイはハーバード大学電気工学・コンピューター科学科のゴードン・マッケイ記念教授。エネルギー効率のよいコンピューターシステムについて幅広く研究している。
原題名
Flight of the RoboBees(SCIENTIFIC AMERICAN March 2013)
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RoboBees/人工筋肉/圧電材料/オプティカルフロー/Kilobot