日経サイエンス  2013年6月号

星団の生い立ち

S. W. スターラー(カリフォルニア大学バークレー校)

 夜空に輝く「すばる」は「プレアデス星団」とも呼ばれる。オリオン大星雲の中心にも,4つの非常に明るい星を主要メンバーとする星団がある。星団には数十個の星しかないものもあれば,数百万に上る星が密集したものまで実に様々だ。誕生からわずか数百万年しかたっていない若い集団もあるし,宇宙黎明期にまで遡れるような古いものもある。しかし,星団自身の進化についてわかっていることは決して多くない。そもそも,なぜこれほど多彩な姿の星団が存在しているのだろう? 著者は,たった1つの単純なパラメーターが,星団の行く末を決めているらしいことを明らかにした。それは星団の母体となるガスと塵からなる雲(分子雲)の質量だ。

 

 

再録:別冊日経サイエンス200「系外惑星と銀河」

著者

Steven W. Stahler

カリフォルニア大学バークレー校の理論天文学者。フランシスコ・パラとの共著で星形成について網羅した初の大学院生向け教科書「The Formation of Stars」を執筆した(Wiley-VCH,2004年)。

原題名

The Inner Life of Star Clusters(SCIENTIFIC AMERICAN March 2013)

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