
2013年2月15日,直径20m近い小惑星がシベリア上空で大気圏に突入,空中で大爆発し,約1500人が負傷,約5000棟の窓ガラスなどが破損した。小天体の落下でこれほどの被害が出たのは,記録に残る限り初めてだ。 地球に衝突する天体を事前に見つけ出し,被害を最小限にとどめようというスペースガードの取り組みは1990年代から行われているが,今回,事前の予測はできなかった。各国はそうした天体の探索に今後,より力を入れる計画で,宇宙望遠鏡による観測も始まる。国連による関連組織作りもこれから始まる。
著者
中島林彦 / 協力:吉川 真 / 杉田精司 / 高橋典嗣
中島は日経サイエンス編集長。吉川は宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所准教授。専門は天体力学。小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトサイエンティストを務めた。現在は「はやぶさ2」のミッションマネージャ。日本スペースガード協会の中心メンバーで,同協会の研究組織である日本スペースガード研究センターの所長も併任する。杉田は東京大学大学院新領域創成科学研究科教授(複雑理工学専攻)。専門は地球や惑星の起源と進化。特に天体衝突に伴う物理・化学現象に興味を持ち,NASAエイムズ研究センターやJAXA宇宙科学研究所の施設を用いて衝突現象実験を行っている。「はやぶさ2」プロジェクトにも携わる。高橋は日本スペースガード協会理事長でNEO(地球近傍天体)の研究・教育活動に取り組んでいる。日本スペースガード協会は1996年に発足,99年にNPO法人となった。事業の柱はNEOに関する観測と研究,啓蒙・普及活動。
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