
先の国政選挙では原子力発電への各党のスタンスが1つの注目点になった。また原子力発電所の再稼働をめぐって活断層をどう評価するかが大きなニュースとなっている。こうした科学や技術が密接にかかわる問題に対する正しい理解,科学リテラシーなしに国政を担うことは今や難しくなっている。状況は米国でも同じだが,著者は「米国の主要政党に所属する多くの政治家が反科学の姿勢を取っている」という。ダーウィンの進化論や,人間活動が誘発した気候変動,幹細胞研究などを否定する考え方だ。憂えた著者は約4万人に及ぶ研究者や技術者の支持を得て,2008年と昨年の大統領選で,候補者に科学論議を促す行動に打って出た。
著者
Shawn Lawrence Otto
「Fool Me Twice: Fighting the Assault on Science in America」などの著作がある作家・映画制作者で,ScienceDebate.orgの共同創設者。IEEE(米国電気電子学会)のAward for Distinguished Public Serviceを受賞,インターネット新聞の Huffington Post やNeorenaissance.orgのブログに執筆している。
原題名
America’s Science Problem(SCIENTIFIC AMERICAN November 2012)
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