日経サイエンス  2013年2月号

衛星群で雷雲に迫る

中島林彦(編集部)

 雷雲(積乱雲)は未解明の部分が多い。雷に伴って放射される「地球ガンマ線」もその1つだが,実はこれとはタイプが異なるガンマ線が雷雲から地上に向けて放射されていることがわかってきた。雷が起きていなくても,連続的にガンマ線が放射される現象で,日本で発見された。雷雲は落雷のほか竜巻や突風,豪雨による洪水などの気象災害をもたらすが,そのメカニズムの解明や発生予測も道半ばだ。また雷雲は強い上昇気流を伴うので,水蒸気を地表から上空に輸送する主要ルートになっているが,地球規模での発生状況がよくわかっていない。雷雲の謎を解明するため,日本では地上観測に加え,国際宇宙ステーションや超小型衛星(概ね100kg以下の人工衛星)を用いた宇宙からの観測が始まろうとしている。

 

 

再録:別冊日経サイエンス195「空からの脅威」

著者

中島林彦

中島は日経サイエンス編集長

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