日経サイエンス  2012年10月号

ITER悪戦苦闘

G. ブラムフィール(Nature誌)

 太陽光発電と風力発電のエネルギーの源は太陽だが,地上に人工太陽を作るアイデアもある。太陽中心と同じ超高温高圧状態で核融合反応を起こしてエネルギーを得る「核融合炉」だ。その実験炉を国際協力でフランスに建設するITER(イーター)プロジェクトが進んでいる。日本も中心メンバー国の1つだ。稼働すれば無限のクリーンエネルギーに至る画期的ステップとなるだろう。しかし期待に反してプロジェクトは困難に直面している。何十億ドルもの予算超過と何年ものスケジュール遅れのため,発電試験が始まるのは早くても2026年になる。原因は,予想外の技術的困難や,国際協力に関わる参加各国の奇怪な官僚的論争などだ。

著者

Geoff Brumfiel

ロンドンでNature誌の記者を務めている。ITERプロジェクトを10年以上にわたって追ってきた。

原題名

Fusion’s Missing Pieces(SCIENTIFIC AMERICAN June 2012)

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ITER