日経サイエンス  2012年9月号

キュリオシティー 火星着陸へ

J. P. グローツィンガー(カリフォルニア工科大学) A. バサバーダ(NASAジェット推進研究所)

 昨2011年11月に打ち上げられ火星に向かっていた米航空宇宙局(NASA)の探査機マーズ・サイエンス・ラボラトリー(愛称「キュリオシティー」)が日本時間の8月6日にいよいよ火星に着陸する。かつての火星は生物がすめる環境だった可能性があり,その証拠をつかむのが大きな目的。生命体を構成するような有機化合物が存在しているかどうかが1つの注目点で,火星表面の土や岩石をすくい取って化学分析することになっている。どんな装置で何を調べ,それによって何がわかるのかを,同計画のプロジェクト科学者が図解で紹介する。ヘリコプターからつり下げられるような格好で着地する「スカイクレーン」という着陸方法も注目の的だ。

著者

John P. Grotzinger / Ashwin Vasavada

グローツィンガーはカリフォルニア工科大学の地質学者で,マーズ・サイエンス・ラボラトリー計画のプロジェクト科学者。地球と火星の地表環境の進化に興味を持っている。米国科学アカデミーの会員。

バサバーダは同プロジェクトの次席プロジェクト科学者で,いずれ人々が火星のシャープ山をハイキングして探査車キュリオシティーが移動した道筋をたどる日が来るだろうと考えて興奮している。NASAジェット推進研究所に所属,ガリレオ探査機やカッシーニ探査機,月周回衛星ルナー・リコネサンス・オービターのミッションにも携わった。

原題名

Reading The Red Planet(SCIENTIFIC AMERICAN July 2012)

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