
欧州合同原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)実験で見つかった粒子はヒッグス粒子と考えていいのか。ヒッグス粒子と確認するためには,どのような実験・観測が必要なのか。今回の発見は,素粒子物理学発展の歴史の中で,どのような意味があるのか。物理学の理論は今後どのような進展を見せそうなのか。ヒッグス粒子と見られる新粒子の発見について,素粒子理論の研究で2008年にノーベル物理学賞を受賞した小林誠(写真右),益川敏英両博士(写真左)にインタビューした。
「LHC実験で発見された新粒子はヒッグス粒子であると考えるのが自然だ」「素粒子の標準モデルが完成,ヒッグス粒子は新しい理論へのヒントとなる」(小林誠)
「今回見つかった新粒子は超対称性理論によって説明がつく可能性が高い」「30年あまり無風状態だった素粒子の理論に新たな展開が訪れるだろう」(益川敏英)
語り手:小林誠(こばやし・まこと)
1944年名古屋市生まれ。72年,名古屋大学博士課程修了。専門は素粒子理論。京都大学助手時代の1973年,素粒子クォークが少なくとも3世代以上あり,CP対称性の破れの起源を明らかにする論文を益川敏英氏と執筆。2008年,益川,南部陽一郎両氏とともにノーベル物理学賞。
語り手:益川敏英(ますかわ・としひで)
1940年名古屋市生まれ。名古屋大学で素粒子論を学び,坂田昌一博士の薫陶を受ける。京都大学,東京大学原子核研究所で研究。京大,京都産業大学教授を歴任。京大助手時代に小林誠氏と共同研究したCP対称性の破れなどを明らかにした業績で2008年,ノーベル物理学賞。
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