日経サイエンス  2012年7月号

特集:天空に挑む

進化する摩天楼

M. ラムスター(建築史研究家)

史上まれにみる超高層ビルの建築ブームが起きている。牽引役は,急激な都市社会化が進むアジア圏(中東地域も含む)だ。2001年以降に建てられた超高層ビルは350棟前後に達し,全世界の超高層ビルの数は倍以上に増えた。高さ300mを超える「超々高層ビル」もこの10年間で倍になっている。2010年にアラブ首長国連邦のドバイで完成した「ブルジュ・ハリファ」は高さ828mで世界一高いビルとなったのはもちろん,世界第2位の「台北101」(2004年完成)より320mも高い。この差はほぼ東京タワーの高さに相当する。超高層ビルは人口増や温暖化といった,今世紀における地球規模の課題を解決する糸口をもたらすだろう。

 

 

再録:別冊日経サイエンス189 「都市の力 古代から未来へ」

著者

Mark Lamster

建築史研究家。英The Architectural Review誌の在米共同編集者でもある。建築家の故ジョンソン(Philip Johnson)の伝記を執筆中。

原題名

Castles in the Air(SCIENTIFIC AMERICAN September 2011)

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