日経サイエンス  2012年7月号

特殊:天空に挑む

完成 スカイツリー

中島林彦(編集部) 協力:大林組

世界一高いタワー,東京スカイツリー(634m)が2012年5月に開業した。前年の東日本大震災は大きな試練だったが,震災がなかったとしても建設は容易ではなかった。それまでの高さ日本一は東京タワー(333m)なので,スカイツリーはその約2倍の高さになる。高度300mを超えるあたりから頻繁に強い風が吹くようになり,作業の難度は飛躍的に増す。それにも増して難問は与えられた工期が3年半と非常に短いことだった。日本一の超高層ビル,横浜ランドマークタワー(296m)の工期が3年半弱だったことを考えると,その2倍の高さのタワーを普通の手法でつくったのでは到底,間に合わない。工期短縮のため,“大技”がいくつも繰り出された。

 

 

再録:別冊日経サイエンス189 「都市の力 古代から未来へ」

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