日経サイエンス  2012年7月号

特集 天空に挑む

日経サイエンス編集部

 世界一高いタワー,東京スカイツリー(634m)が2012年5月に開業した(画像は大林組提供)。難問は与えられた工期が3年半と非常に短いことだった。日本一の超高層ビル,横浜ランドマークタワー(296m)の工期が3年半弱だったことを考えると,その2倍の高さのタワーを普通の手法でつくったのでは到底,間に合わない。工期短縮のため,“大技”がいくつも繰り出された。スカイツリーは世界一の高さのタワーに上って展望を楽しむほか,外からその優美な姿を眺めたり,タワーの麓にあるプラネタリウムや水族館を訪ねるなど様々な楽しみ方がある。一方,目を海外に転じると史上まれにみる超高層ビルの建築ブームが起きている。牽引役は,急激な都市社会化が進むアジア圏(中東地域も含む)だ。2001年以降に建てられた超高層ビルは350棟前後に達し,全世界の超高層ビルの数は倍以上に増えた。高さ300mを超える「超々高層ビル」もこの10年間で倍になっている。超高層ビルは人口増や温暖化といった,今世紀における地球規模の課題を解決する糸口をもたらすだろう。

 

 

完成 スカイツリー  中島林彦/協力:大林組

スカイツリーを楽しむ!  中島林彦

進化する摩天楼  M. ラムスター

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