日経サイエンス  2012年6月号

失われた大陸ララミディアの恐竜

S. D. サンプソン(ユタ自然史博物館)

 恐竜がのし歩いていた9000万年前から7000万年前の中世代白亜紀後期,北米大陸はロッキー山脈の東側を境に,海によって東側のアパラチア大陸と西側のララミディア大陸に分かれていた。約30年前,「ララミディアの北部と南部では異なる種類の恐竜集団が数百万年にわたって生息していた」とする説が発表されたが,ララミディアは北米大陸の1/5しかない小さな大陸であり,それほど多くの恐竜種が共存できたとは考えにくいとする反論があった。それが近年の研究の進展で,この説はやはり正しいことが裏付けられた。ではなぜ多くの恐竜種が共存できたのか? 恐竜が小食だったなどいくつかの理由が考えられている。

 

監修:冨田幸光(国立科学博物館)

 

 

再録:別冊日経サイエンス220 「よみがえる恐竜 最新研究で明かす姿」

 

著者

Scott D. Sampson

恐竜を専門とする古生物学者で,ユタ自然史博物館のリサーチキュレーター。ユタ州のグランド・ステアケース・エスカランテ国定公園における白亜紀後期の化石の発掘を2000年から指揮している。米国の公共放送PBSキッズチャンネルの「ダイナソー・トレイン」の科学アドバイザー兼ホストでもある。

原題名

Dinosaurs of the Lost Continent(SCIENTIFIC AMERICAN March 2012)

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

カイパロウィッツ累層西部内陸海路