日経サイエンス  2012年6月号

宇宙100兆年の未来

D. ゴールドスミス(サイエンスライター)

「ミルコメダ」という名前の銀河を知っている人はほとんどいないだろう。私たちの天の川銀河と,現在は250万光年離れている“お隣の銀河”,アンドロメダが数十億年後に衝突して生み出される超巨大銀河のことだ。今や天文学者は数十億年はもちろん,1000億年,さらには100兆年よりももっと先の宇宙の姿まで,かなり正確に描き出せるようになった。それによれば,未来の宇宙は現在よりも惑星がありふれた存在になり,生命がより生まれやすくなる。現在の宇宙ではほとんど見られないタイプの星々が満ちあふれる時代もやってくるという。もっとも宇宙の未来旅行の行き着く先は華やかではなさそうだ。

 

 

「宇宙100兆年の未来」をもっと知るには

再録:別冊日経サイエンス196「宇宙の誕生と終焉 最新理論でたどる宇宙の一生」

著者

Donald Goldsmith

税理士として働いた経験のある天文学者はおそらく彼だけだろう。税理士は儲かる仕事だったが,すぐに辞めた。1969 年にカリフォルニア大学バークレー校で天文学のPh.D. を取得し,セーガン(Carl Sagan)監修のテレビシリーズ『コスモス』で制作顧問を務めた。またPBS(米国の公共放送サービス)の科学ドキュメンタリー番組,例えばテレビシリーズNOVAの「Is Anybody Out There?」や「The Astronomers」シリーズなどの脚本を執筆している〔前者についてはトムリン(Lily Tomlin)との共同執筆〕。

原題名

The Far, Far Future of Stars(SCIENTIFIC AMERICAN March 2012)

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