日経サイエンス  2012年5月号

チョコレートの木を救う

H. シュミッツ(マース社) H.-Y.シャピロ(マース社)

バナナ,パパイア,マンゴーなど食卓を彩る熱帯の果物。広い意味ではチョコレートもその1つだ。チョコレートは,熱帯で育つカカオの木の種子(カカオ豆)を発酵,乾燥させて作るココアがもとになっている。近い将来,チョコレートの需要は供給を上回る可能性が出ているが,カカオは病虫害に弱く,気候変動による悪影響も懸念されている。品種改良や栽培環境の改善など生産増のための取り組みが進んでいる。

 

 

再録:別冊日経サイエンス205「食の探究」

著者

Harold Schmitz / HowardーYana Shapiro

シュミッツは米マース社の最高科学責任者。食品科学者として教育を受けた。食料生産の価値連鎖と,それが人間やペットの健康,さらには生態系や環境,社会,分化の持続性に及ぼす影響に関心がある。全米アカデミー産学共同研究協議会の実行委員も務める。

シャピロは米マース社で植物科学と外部研究を担当する。カリフォルニア大学デービス校の植物科学の非常勤教授でもある。国際的な研究を主導してカカオの木(Theobroma cacao)のゲノムを解読した。

原題名

The Future of Chocolate(SCIENTIFIC AMERICAN February 2012)

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