日経サイエンス  2012年1月号

アフガンに眠るレアアース

S.シンプソン(SCIENTIFIC AMERICAN 編集部)

 紛争が続くアフガニスタン。タリバン兵が潜む危険地帯で,海兵隊に守られながら米国の地質学者が岩石採取や地質図作りに取り組んできた。調査の結果,レアアースなど重要鉱物を含む新鉱床がいくつも見つかった。特に2011年2月の調査で見つかったレアアース鉱床は世界最大級。ハイテク製品やエコカーに欠かせないレアアースの生産は現在,中国がほぼ独占しており,日本を含め各国は新たな調達先の確保に奔走している。アフガニスタンでのレアアース生産が軌道に乗れば,増大する世界需要を満たせる可能性がある。アフガニスタンにとってはアヘンに依存するいびつな経済体制を脱却し,復興への道を開く足がかりになる。

著者

Sarah Simpson

フリーランスライター,SCIENTIFIC AMERICANの寄稿編集者。カリフォルニア州リバーサイド市在住。

原題名

Afganistan's Buried Riches(SCIENTIFIC AMERICAN 2011 October)

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