日経サイエンス  2012年1月号

匂いで伝える人間フェロモン

D. ブラム(サイエンスライター)

 1971年,大学院に進んで間もない女子学生マーサ・マクリントックの論文がNature誌に載った。タイトルは「月経の同調と抑制」。彼女が通っていた名門女子大学の寮生の観察から,女性どうしが一緒に生活をしていると月経周期が同調するようになることを示した。現在,マクリントック効果と呼ばれるこの現象は,女性たちが一種の化学物質を送りあうことで起きていると考えられている。

 様々な生物がフェロモンと総称されるシグナル化学物質で合図を送り合っているが,人間も無意識のうちにフェロモンに反応しているようだ。この人間フェロモンを特定しようと研究が進んでいるが,ことは昆虫や動物の場合ほど簡単ではない。まずは具体的な物質の特定が目標になる

著者

Deborah Blum

1992年にピュリツァー賞を受賞したサイエンスライター。最近の著作に「The Poisoner's Handbook; Murder and the Birth of Forensic medicine in Jazz Age New York 」がある。昆虫学者の父親がアリのフェロモンを抽出しているのを見て,フェロモンを初めて知った。

原題名

The Scent of Your Thoughts(SCIENTIFIC AMERICAN October 2011)

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