
太陽系は,星が渦巻く巨大な銀河円盤の中にある(天の川は銀河円盤を,その内側から見た姿だ)。近年の研究によって,差し渡しが10万光年もある銀河円盤が,ハンマーで叩かれたゴングのように振動していることがわかってきた。
振動は非常にゆっくりなので,観測すると,銀河円盤が歪んだ状態でストップしているように見える。この宇宙スケールの巨大ゴングを叩いているのは何なのだろう?それは目に見えない霧のように銀河系を包んでいる正体不明の暗黒物質のしわざのようだ。
著者
Leo Blitz
小学生の頃から,天文学者になることを夢見ていた。当時,大好きだったテレビ番組は「Watch Mr. Wizard(ウイザードさんに聞いてみよう)」。その少年も今ではカリフォルニア大学バークレー校の天文学教授だ。電波天文学研究所の所長を務めたこともある。
原題名
The Dark Side of the Milky Way(SCIENTIFIC AMERICAN October 2011)