日経サイエンス  2011年12月号

脳科学が教える 学び上手にする方法

G. スティックス(SCIENTIFIC AMERICAN 編集部)

 読み書き計算がうまくできないと,普段の生活に何かと困る。ではもし赤ちゃんの頃,その子が将来,小中学校に上がって,そうした技能の習得にかなり苦労しそうなことがわかったとしたらどうか? 乳幼児は小中学生に比べても脳が柔軟。おもちゃやゲームを通じて,そうした技能を身につける素養,例えば音の変化に素早く気づく能力や,数量の多寡を見積もる感覚に磨きがかけられるかもしれない。そうなれば,小中学校で落ちこぼれる可能性が大幅に下がる可能性がある。そんなシナリオを想定した研究が今,米国や欧州で進んでいる。ただいずれも基礎研究の段階。効果が実証されていない脳トレーニングの誇大広告には注意が必要だ。

 

 

再録:別冊日経サイエンス184「成功と失敗の脳科学」

再録:別冊日経サイエンス193 心の成長と脳科学

著者

Gary Stix

原題名

How to Build a Better Learner(SCIENTIFIC AMERICAN August 2011)

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