日経サイエンス  2011年12月号

フロントランナー 挑む 第10回

生命に内在する 秩序へのプログラムを探る:笹井芳樹

古田彩(編集部)

均一な細胞が集団になると

それぞれが違う形へと変化し,複雑な構造を形作る

生命には自らを組織化するプログラムが秘められている
 
 
 透明な液体の中に,肉団子のような細胞の塊が浮遊している。と,突然そこから緑色の丸い輪がプクリと飛び出し,先端が凹み始めた。やがて丸いコップのような形になり,さらにその縁が絞られて,「二重底のブランデーグラス」と呼ばれる形になった(13ページの図)。脊椎動物の目のもとになる「眼杯」という組織だ。理化学研究所発生・再生科学総合研究センターのグループ・ディレクター笹井芳樹らが,マウスの万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)から作り出し,その過程を特別な顕微鏡(右の写真)で観察して,早回しで再現した。 (文中敬称略)

 
 
続きは発売中の2011年12月号紙面にてどうぞ

関連記事:2013年2月号「試験管で網膜をつくる

 

笹井芳樹(ささい・よしき)理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
 1962年,兵庫県生まれ。1986年京都大学医学部卒業。臨床医としての活動の後,カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部客員研究員を経て,京都大学大学院医学研究科終了。医学博士。京都大学医学部助教授,同再生医科学研究所教授を経て2000年より理化学研究所発生・再生科学総合研究センターのグループ・ディレクター。

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

ES細胞自己組織化