
嚢胞性線維症は肺や膵臓などに粘液がたまり,呼吸や消化が困難になる病気。日本では患者が少なく知られていないが,欧米では出生3000人に1人という高い頻度で罹患する重い遺伝病だ。1980年代まで患者は20代後半で命を落としていたが,1989年,原因遺伝子が発見され,そのメカニズムがわかってきた。遺伝子治療はうまくいかなかったが,根本的な治療薬が開発され,米国では近く認可の検討に入りそうだ。
著者
Steven M. Rowe / J. P. Clancy / Eric J. Sorscher
ロウはアラバマ大学バーミングハム校の助教で,医学や小児呼吸器学,生理学,生物物理学を担当している。クランシーはシンシナティ大学肺疾患医学の教授。ソーシャーはアラバマ大学バーミングハム校の生理学と生物物理学の教授。
原題名
A Breath of Fresh Air(SCIENTIFIC AMERICAN August 2011)
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嚢胞性線維症/膵嚢胞線維症/塩化物イオン/塩化物イオンチャネル/CFTR/フォールディング/ミスフォールディング