
この病気にはどの治療が効くか? それを決めるには臨床試験しかないと,長年信じられてきた。だが臨床試験には時間もコストもかかり過ぎ,需要に到底追いつかない。ならば実際に治療された患者のカルテを大量に集めて結果を解析し,答えを出そうという新たな手法が登場した。「比較効果分析」というこの新手法は,医療費の際限ない増大という先進国に共通の病気の特効薬となるかもしれない。
*国内外の医療経済研究の状況に詳しい五十嵐中・東京大学大学院医薬政策学特任助教による特別コラムを併載。
著者
Sharon Begley
神経科学,遺伝学,心理学,および医療に関する複雑な問題を解きほぐし,すっきりとわかるようにするのが好き。ニューズウィークとウォールストリート・ジャーナルで科学記事を担当してきた。
原題名
The Best Medicine(SCIENTIFIC AMERICAN July 2011)
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