ビジュアル・サイエンス・フェスタ
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実行委員会
入選作品
2003年
2002年
2001年
日経サイエンス
CVC
 
河野礼子 こうの・れいこ
東京大学大学院 理学系研究科
谷尻豊寿 たにじり・とよひさ
(株)メディック・エンジニアリング
   
諏訪元 すわ・げん
東京大学 総合研究博物館助教授
 
 
 
 大臼歯のエナメル質は人類進化の過程で猿人以降のヒト科で特に厚いことが知られており、その適応的意義を探ることは進化過程の解明にも大いに役立つ。歯冠表面の複雑な起伏のためにエナメル分布の全体像の把握は難しく、これまでは二次元断面上での厚さのみが議論されてきた。今回、エナメル質分布の特徴を歯冠全体にわたって明らかにすることを目的として、エナメル質形状を三次元的に再構築したのちに(図1左)、厚さをカラーマッピングした(図1右)。各画素の色は、エナメル質表面上のその点から象牙質表面上への最短の距離をあらわす。エナメル質表面と象牙質表面のそれぞれの複雑な起伏のために、「厚さ」といっても図形的にも向きや方向など単純ではない。歯の発生過程を考えると象牙質表面に垂直な厚さが適切かもしれないが、ここではこの「内からの垂直距離」にほぼ対応する「外から内への最短距離」をもちいることにより、厚さの分布を普段見なれた歯の表面の形状と結びつけてより直感的に理解可能となった。さらに形状を表す等高線と合わせれば、咬合面のような複雑な状況もわかりやすく表現できる(図2)

図1 大臼歯エナメル質形状の再構築像
左:シェーディング表示 右:厚さのカラーマップ
 計測データからカラーマッピングにいたる作業は、三次元画像計測ソフトウェア3D-RugleとCT-Rugle(メディック・エンジニアリング製)によっておこなった。

図2 咬合面の表面形状とエナメル質厚さの
カラーマップ