ビジュアル・サイエンス・フェスタ
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講演プログラム
2003年
2002年
2001年
組織構成
実行委員会
入選作品
2003年
2002年
2001年
日経サイエンス
CVC
 
大西尚樹 おおにし・なおき
金沢大学 理学部計算科学科4年
仙田康浩 せんだ・やすひろ
金沢大学 理学部計算科学科助手
   
小橋博道 こばし・ひろみち
金沢大学大学院
自然科学研究科数物科学専攻1年
湯浅裕亮 ゆあさ・ひろあき
金沢大学大学院
自然科学研究科数物科学専攻2年
 
 
はじめに
 著者の一人大西は富山県出身で、子供の頃から様々な形をしたきれいな雪の結晶を見てきた。そのため、これらの雪の結晶をコンピューターで作ることに興味を抱いた。また今年の夏に、金沢大学で「いしかわ e-サイエンス」という高校生を対象とした計算科学の集中講座を行い、そのカリキュラムの一環として雪の結晶についての授業を行なった。そこで、いろいろな形の雪の結晶を作ることができる雪の結晶生成プログラムを作成し、今回これを動画編集しCG作品とした。

雪の結晶とナカヤ・ダイヤグラム
 雪の研究は、石川県出身の中谷宇吉郎博士が有名である。中谷博士は実験室において世界で初めて人工雪を作る事に成功し、雪の結晶の出来る気象条件である気温と水蒸気の過飽和度との関係から、生成される雪の結晶の種類を表す「ナカヤ・ダイヤグラム」を作成した。このダイヤグラムによって、空から降ってきた雪の結晶をみれば上空の雲の状態が推定できることから、中谷博士は「雪は天から送られた手紙である」という有名な言葉を残している。

 雪の結晶は「ナカヤ・ダイヤグラム」上において、気温−15℃付近に注目すると、水蒸気の量によって成長の仕方が異なることが分かる(図1)。すなわち、水蒸気の量が少ないと六角形の「角板」と呼ばれる形に成長し、多いと六方向に枝の出た「樹枝状」と呼ばれる形に成長する。

図1 ナカヤ・ダイヤグラム
コンピューターによる雪の結晶
 この雪の結晶をコンピューター上に再現するために、様々な雪の結晶を描く事が出来るJAVAプログラムを作成した。そして、気温を適当に設定してこのプログラムを実行し、気象条件のパラメーターである水蒸気の量を変化させながら、図2に示す様々な雪の結晶を作った。

図2 様々な雪の結晶
まとめ
 この作品によって、作成した雪の結晶の形を見れば、水蒸気量と雪の成長の様子が分かるので、中谷博士の偉業「雪は天から送られた手紙である」をコンピューター上で再現することが出来た。また、「いしかわ e-サイエンス」にこのプログラムを教材として用い、高校生が多種多様な雪の結晶作りを学習する事が出来た。今後は、もっとリアルな雪の結晶作りを目指したい。
講評
この作品は、雪の結晶の分類に基づいて様々な結晶をビジュアライズできることに加え、実際の雪の結晶の再現のみならずオリジナルの結晶を生成できる独創性が高く評価された。雪の結晶の理解が深まるとともに、サイエンスを楽しむことができるすばらしい作品。