ビジュアル・サイエンス・フェスタ
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講演プログラム
2003年
2002年
2001年
組織構成
実行委員会
入選作品
2003年
2002年
2001年
日経サイエンス
CVC
 
大屋 哲男
(映画「スパイ・ゾルゲ」VFXプロデューサー/
マリンポスト取締役)


川添 和人
(映画「スパイ・ゾルゲ」VFXスーパーバイザー/
スペイシィ代表)
 
 
大屋 この作品の目玉であるデジタル技術は、24Pのカメラを使って非圧縮のデジタル撮影をしたこと、70年前の銀座の街並みを再現した緻密なCG映像にあります。

 はじめに、デジタル撮影全体のワークフローを説明します。デジタル収録が採用された理由は、画像の圧縮にあります。通常のテープ収録では、7分の1の画像の圧縮が起きる上、ブルーチャンネルのみに非常に大きなブロックノイズが入るため、合成カットの多いこの作品には不向きです。フィルム撮影も検討の上で、結局、HDの最新鋭のカメラを使い、圧縮の入らないハードディスク収録という今回の手法に落ち着きました。

 まず、カメラで撮影したものを、HD-SDIという画像のラインでハードディスクに直接入れます。この段階ではYUVというフォーマットですが、これを通常の編集や合成で利用しているシネオンという10ビットのRGBの画像フォーマットに一旦変換します。これをすべてファイルサーバー上に蓄積し、ここから合成や編集といった各方面にデータを配信するという形にしました。

 編集もすべてオンラインで行いました。まずサイズの小さい映像を作成し、24PのSDビデオサイズで編集し、サイズを徐々に大きくして、最終的に12ビットHD1080/24pで編集 して原版をシネオンフォーマットに仕上げました。この後カラーコレクションを行い、フィルムに焼き付けるという流れです。純粋に合成を目的にしたカットは約300あります。日本家屋の障子を背景にするなど直線的なカットが多く、レンズの歪みが非常に気になるので、ほとんどのカットに手直しなど、何らかの加工を加えています。

川添 次に、VFX班として、映画を作り上げていった上での苦労話をご紹介します。時代背景の取材に1年、デジタル原版を作成するまでにさらに1年半、トータルで2年半を費やしました。篠田監督は、昭和史を語る上で時代の風景をリアルに描きたいという思いを強く持っていらっしゃったので、時代考証に時間をかけ、できるだけ忠実に建物や人物などを再現しました。そのため、資料収集は膨大であり、写真集や参考文献、映像など、最終的には80GBに及びました。国内20数箇所に加え、海外では上海とベルリンに及ぶロケ地などでの撮影情報もすべてHTMLでデータベースを組み上げ、共有できるように工夫をこらしています。
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