ビジュアル・サイエンス・フェスタ
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日経サイエンス
CVC
 
 
コーエー ネットワークゲーム開発担当執行役員
松原健二
 
 
 オンラインゲームとは、いまだに一般に確立した定義はありませんが、わたしどもでは「インターネット上で行われ、本質的にインターネット環境を必要とするゲーム」と定義しています。プレイスタイルによってユーザー層をみると、ピラミッド型構造の一番上のコア層は週30時間以上を費して多人数参加型(一度に数千人がリアルタイムでプレイできる)のゲームを行うユーザー、カジュアルと呼ばれる中間層は10人前後のネットワーク対戦を週10時間程度行うユーザー、そして将棋やトランプといったボードゲームをするライト層の3層に分けられます。オンラインゲームは、このカジュアル層とコア層をターゲットにしたゲームです。当社では、ネットワーク対戦ゲーム「三國志Battlefield」、多人数参加型の「信長の野望Online」がこれにあてはまります。

 日本のオンラインゲーム市場はまだまだ黎明期にあり、多くて約50万人、総ゲーム人口3000万人の2%未満ではないかと推定しています。しかし、世界の潮流は、オンラインゲームに移ってきています。ブロードバンド先進国の韓国や台湾では、町のいたるところにインターネットカフェがあり、ここでは専らオンラインゲームが行われています。対人口比で見てみると、韓国のインターネットカフェ数はなんと日本の200倍もありますし、韓国にはプロゲーマーと呼ばれる、アイドルに並ぶ人気を持つ人達もいます。

 しかし、将来的には日本でも大きな市場になるという認識から、各社とも当面は赤字を覚悟で先行投資を行っています。20万本の売上を見込める新作パッケージゲームの場合、2年で利益率165%が期待できます。一方、多人数参加型オンラインゲームの場合、ヒットしても現段階では10万本、累損解消に4年近くかかりますので、体力のある大企業でなければ開発が難しいのも事実です。将来的に利益を上げるためには、開発期間の短縮とコストの削減が急務です。オンラインゲームの魅力は巨大な規模の世界をフル3Dで体験するところにあります。このために予算の半分以上をCG作成費が占めるので、いかに効率よくCGを作成するかは大きな課題です。

 例えば、この冬発売予定の「信長の野望Online」では、同時に3000人がリアルタイムで参加し、ゾーン数も将来的には100を越えるという大きなものです。このため、CGデータ量は従来のものに比べて3倍以上もあります。CG作成の課題としては、データを再利用していくための整理とシステム化、見えない部分などで効率的に「手抜き」を行うこと、そして実際にゲームを動かすユーザーのコンピューターの性能との整合性をとることにあります。 パッケージゲームの場合、店頭で販売されればゲームメーカーの手を離れますが、オンラインゲームの場合には公式サイトの構築、ユーザー管理、課金システムが必要になります。サービス提供会社としてのノウハウを蓄えることが、オンラインゲーム市場で日本はオンラインゲームで世界に遅れをとっているとはいえ、クオリティーの高いゲームを提供することは可能だと思いますし、そのためには海外展開も重要だと考えています。
「信長の野望Online」ゲーム映像