ビジュアル・サイエンス・フェスタ
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講演プログラム
2003年
2002年
2001年
組織構成
実行委員会
入選作品
2003年
2002年
2001年
日経サイエンス
CVC
 
 
             
コーディネーター
福田 正大
宇宙航空研究開発機構
情報化推進部参事
  パネリスト
松澤 照男
北陸先端科学技術大学院大学
情報科学センター教授
  パネリスト
松田 哲也
京都大学大学院情報学研究科
システム科学専攻システム情報論講座医用工学分野教授
  パネリスト
古村 孝志
東京大学地震研究所
地震火山災害部門助教授
 
 
福田 本日は「次世代のビジュアリゼーション」というテーマで、異なる分野でご活躍の先生方に、技術開発の現状と今後の課題についてご紹介いただきましょう。

グリッドの階層モデル。最下層の計算機やネットワークなどのグリッド基盤、その上のグリッドミドルウェア(Globusなど)の上にボリュームコミュニケーションに必要な技術開発。
医療画像から血管を抽出し、血液−血管連成果解析を行い、血液流れや壁への応力分布などを可視化して医療の現場にフィードバックできるシステム。
松澤 私は「VizGrid(ビズグリッド)」というプロジェクトに取り組んでいます。この言葉はVisualization on Grid(グリッド上のビジュアル化)を意味します。インターネットの世界で、グリッド・コンピューティングといえば、ネットワーク上にある複数のコンピューターを資源として、同時に膨大なデータへのアクセスや処理を可能にするシステムをいいます。私たちはさらに、グリッド上で情報の可視化を行うことにより、資源同士のコミュニケーションを図り、遠隔協調できるコラボレーション環境を作ろうとしています。

 このようにして作られた「遠隔協調コラボレーション環境」は、核融合や医療分野に応用できます。医療では、患者を中心に医者、情報屋そして計算機屋などがコラボレーションし、画像と計算機シミュレーションを結びつけて、治療や診断、さらには遠隔治療や遠隔手術を可能にしようとするものです。

 なかでも、私たちが現在、提唱しているのは、グリッド上における「ボリュームコミュニケーション」です。ボリュームコミュニケーションはボリュームデータの生成、通信(圧縮と伸張)、アーカイブ(検索)、表示をするための一連の技術です。患者の医療画像データや多地点カメラの実映像、さらには再構築した血管内の血流シミュレーションなどを重ねた奥行きのある立体ボリュームデータを作り、相互に通信して、ケーブ(CAVE=没入型仮想現実空間システム)のような仮想空間で、立体スクリーンなどを用いて可視化すれば、あたかも医師の目の前に患者がいて、しかも患者の内部がボリュームレンダリングされ、そこにシミュレーションの結果から血液が流れているような状態を作り出すことができます。

 さて、成果の一つとして、「マルチメディア・リアルタイムデータ通信」です。治療や診断には、画像の他に声、力触覚なども伝える必要がありますので、こうした大容量データを各資源の間に、時間のズレなく伝えることができるようなシステム(同期)が必要になります。

松田 私の研究は「医学・医療分野における可視化」です。CT(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imaging)などの画像診断は、ここ数年で非常に技術が進歩しました。CTでは、MDCT(Multi Detector-row CT)という、人体の周りをカメラが1回転する間に10枚もの画像を撮影してしまう機器が一般化されています。MRIでも、撮像方法の改良によって撮影が高速化され、現在ではほぼリアルタイムで画像を撮影することができます。

 先端領域では、これらの撮影装置を使った4次元シミュレーションが可能になりました。MDCTや高速のMRIで撮影した3次元画像に時間軸を組み合わせることで、「時間経過に伴う動画像」という四次元画像を表示させます。この方法では、拍動する心臓の内部の動画像や、バーチャルエンドスコープ(仮想内視鏡)による気管支内の内視鏡画像などを作ることができます。気管支内には、たくさんの細気管支が分岐しており、慣れない医師では、内視鏡をのぞくうちに自分のカメラの場所がわからなくなりがちです。このようなとき、バーチャルエンドスコープを併用することで自分のカメラ位置を知ることができ、研修医のトレーニングなどに役立ちます。空間分解能も向上し、数十ミクロンの分解能を持つMRI顕微鏡(MR Microscope)も実現しています。我々はMRI顕微鏡を用いてヒト胎児標本の3次元画像データを収集し、研究に活用しています。

 また、今年からは、文部科学省の主導で「細胞・生体機能シミュレーション」というプロジェクトが始まりました。京都大学には以前から、心臓細胞のイオンの出入りと興奮時の電位変化などを模式化した「Kyotoモデル」という細胞の生理活動を表すコンピューターモデルがあり、これに心臓の形状データを組み合わせ、可視化させることによって、心臓がどのように収縮し、どのように変形するかをシミュレーションすることができます。さらに今後は、心筋細胞の興奮の伝播、冠動脈による血液供給の様子などもモデル化していく予定です。
Fig.1 Fig.2 Fig.3 Fig.4
臨床から医学研究へ:マクロからミクロへ
Fig.1 ヒト胎児標本の外表写真
Fig.2 MR Microscopy画像
Fig.3 連続切片の顕微鏡写真
Fig.4 実画像に基づく3次元アニメーション(京都大学医学研究科塩田浩平教授、同学術情報メディアセンター美濃導彦教授、筑波大学巨瀬勝美教授との共同研究)
Fig.1 Fig.2
実データに基づく心拍動シミュレーション
Fig.1 3次元形状、細胞配列、心筋細胞の力学特性をモデル化し、有限要素法を用いて計算機上に心臓を構築
Fig.2 心臓の3次元動画像(空間3次元+時間=4次元データ)は既に収集可能
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