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エネルギー
究極の省エネ型モーター
アルミ製の回転子を銅に変えて効率アップ
エネルギー効率を示すパーセンテージが数ポイント向上してもめったに注目されることはないが,年間消費電力量が世界で数千億キロワット時にもなる装置についての改善となれば,あっという間に「塵も積もれば山となる」。米エネルギー省(DOE)によると,米国の産業向け電力の約2/3は工場内のポンプや圧縮機,コンベヤーなどを動かす無数の電気モーターの駆動に充てられている。10年に及ぶ研究開発の末,こうしたモーターの効率をさらに上げる技術が登場し,産業界の注目を集め始めた。
小型の3相交流モーター(1〜20馬力)は入力エネルギーの90%を機械的回転力に変換できる。現在の標準的な設計はダイカスト製造のアルミニウムで作ったローター(回転子)を使うものだが,アルミの代わりに銅を使えば省エネになることが以前から知られていた。治金学者のピーターズ(Dale Peters)は「銅はアルミより導電率がかなりよいので,抵抗損失が大幅に減る」と説明する。「だが,銅の融点は1083℃と,アルミよりかなり高く,ダイカスト製造ではこれが大問題になる」。
ダイカストでは再利用可能な鋼鉄製の鋳型(ダイ)に溶融金属を注入する。アルミでローター部品を作るのには,以前からこの方法が使われてきた。しかし銅をダイカストすると,融けた銅が鋳型の冷たい鋼鉄に何度も触れ「高熱で鋳型が膨張しては冷えて収縮を繰り返し,鋳型の表面が損なわれる」。
銅のダイカストを実現
1990年代後半,ピーターズら銅の市場拡大を目指す銅開発協会(CDA)の研究者たちは,経済的で信頼性の高い銅ダイカスト製法を開発する事業を立ち上げた。まず3Dコンピューターモデルを使って現象を詳しく解析。やがて,鋼鉄製の鋳型をあらかじめ熱しておくと問題解決につながることを発見した。しかし高温では鋼鉄製の鋳型であっても耐久性が落ちるため,耐熱性に優れたニッケル系の合金で鋳型を作ることにした。
こうしてできたダイカスト銅ローターは抵抗損失が少なく,他の設計改良の効果もあって,小型交流モーターの効率を93%にまで高められる。さらに,モーターがより小型軽量になり,寿命も延びる。価格は在来の高級モデルと比べて約5%高いだけなので,1年足らずで元が取れる。
銅価格が上昇を続けているにもかかわらず,CDAはモーターメーカーに働きかけて銅ローターの採用にこぎ着けた。シーメンスやSEWユーロドライブなど欧州のメーカーが工業用の銅ローター小型モーターをすでに提供,米国の4社が採用を進めている。そして中国,インド,日本,ブラジルのモーターメーカーが商品化を準備中。これらのなかにはエネルギー効率の低いモーターを使っている国もあるため,エネルギー節約という点ではより大きな意味を持ちそうだ。
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天文学
親星の巨大化を生き延びた惑星
親星が赤色巨星となって巨大化した時代を生き抜いてきたらしい惑星が見つかった。
ペガサス座V391は準矮星に分類される星で,数分ごとに明るさが変動する。その変動のタイミングが周期的に変わることをもとに,木星の3.2倍以上の質量を持つ惑星の存在が突き止められた。準矮星の特徴から,この惑星はかつてV391から1天文単位(AU;地球・太陽間の距離)のところを回っていたと考えられる。その後V391が赤色巨星期に入ると距離は0.3AUに縮まり,さらにV391が外側の質量を失って(0.9太陽質量から0.5太陽質量に縮んだ),現在のような矮星になると,惑星は親星から遠くへ離れた。
太陽が赤色巨星期に入っても地球は生き延びるかもしれないという説があるが,今回の発見はそうした可能性を示している。Nature誌2007年9月13日号に掲載された。
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