重版出来!

知っておきたい「がん講座」
リスクを減らす行動学

中川恵一

2019年12月16日 四六判 18.8cm×13.0cm 208 ISBN978-4-532-52078-6

1,300円+税

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がんは日本人の2人に1人が患う病気です。「いま元気だから」「親や兄弟にがんになった人がいないから」…そんな理由で目を向けずにいると,やがて,がんに人生を阻まれてしまうかもしれません。
著者の中川恵一氏は,日本経済新聞の人気連載「がん社会を診る」(毎週水曜夕刊掲載)を通じて,国民全体のがんリテラシーを高めることを目指し,基礎知識から最新の検査方法や治療方法,社会制度まで役に立つ情報を毎回わかりやすく解説しています。
本書はこの日経新聞の連載記事をベースにして,新たに書き下ろし原稿を加え,再構成しました。がんの「基礎知識」「リスクを減らす生活習慣」「早期発見の重要性」「最新の診断法や治療法」「社会の取り組み」などを具体的に紹介します。いま健康な毎日を楽しんでいる人にこそ,知っておいてほしい知識と情報をお伝えします。

中川恵一

序 章 がんに人生を邪魔されないために

幸せな人生に立ちふさがる壁/運・不運にも左右される
喫煙による死亡リスクは2倍/感染症によるリスクも
早期発見が防波堤に/知識の差が命を救う

 

 

第1章 がんを知ろう

がんを知り運命を変えよう
未来は自分の努力で変えることができます
人生100年時代の心構えを/高齢化で増える働く世代のがん
がんになる前にがんを知ろう

 

どのようにしてがんになるのか

遺伝子変異の蓄積で細胞分裂に異常/がん細胞は正常細胞よりも大食い
時間とともに転移しやすくなる/「遺伝する病気」という誤解
がんはなぜうつらないのか

 

ライフスタイルで変わるがん
がんの未来予想図/食の欧米化と運動不足が引き金に
乳がんは40代後半がピーク/冷蔵庫の普及で減った胃がん
性行動の多様化で増えるがん

 

ヘルスリテラシーを高めるために
がんの理解を通して命の大切さを学ぶ
子供へのがん教育、大人にもプラス効果/小中高校での教育を突破口に

 

 

第2章 リスクを減らす生活習慣を身につけよう

がんを防ぐ食生活の知恵
日本の食卓の変化/多様性にすぐれた1975年の食事
大豆に乳がんの予防効果/高齢になってもたんぱく質は大事
身近な食品に健康リスク/野菜や果物は加工せずに食べるほうが有益
コーヒー好きに朗報

 

小さな習慣に大きな効果
歯磨きで口の中や食道のがんが3割低下/毎日の運動が健康寿命を延ばす
健康ゆすりのススメ/夏なら10分の日光浴で効果/紫外線は健康の味方

 

喫煙によるがんをなくすために
たばこで遺伝子変異が蓄積/脳卒中や心臓病のリスクも
加熱式たばこにも発がん性/たばこを吸わない配偶者のリスク

 

お酒とのつき合い方
飲むと顔が赤くなる人はリスク大/たばこを吸わない酒飲みも注意

 

睡眠やストレスとがんの関係
理想は7時間、長すぎても健康リスクに/夜勤で高まるがん発症リスク
過剰なストレスは要注意

 

こんなデータにも注目
血液型と発症リスク/高身長ほどリスクが高い
ゾウは体が大きくてもがんになりにくい

 

 

第3章 早期発見の重要性と診断法を知ろう

定期的ながん検診で命を守ろう
検診の有効性が高い5つのがん/なぜ1〜2年ごとの定期検診が必要なのか
基本の住民検診、多様化する職域検診/米国では全大腸内視鏡検査が普及
大腸がん検診の経済的メリット/オーダーメード型検診の勧めで受診率アップ
乳がん検診、低い受診率/セルフチェック、いつもの自分を知ることから
腫瘍マーカーの役割

 

画像診断の基礎知識
目的に合わせて多様化/技術進歩で生存率が上がる理由/診断情報の共有が必要

 

注目される最新技術やアイデア

血液一滴で早期発見/感度の高いマイクロRNA検査
犬の嗅覚を検査に応用/AIが「診断」する時代に

 

過剰診断のリスク

甲状腺がん検診、韓国で問題に/がんの増加ではなく
検診は慎重に/早期で悪性度の低い前立腺がんは「監視療法」で

 

 

第4章 治療法を理解しよう

日進月歩、さまざまな治療法
手術向きのがん、放射線治療向きのがん/普及するロボット手術
日本発の先端治療技術ESD/免疫チェックポイント阻害薬の登場
先端医療は将来を見据えて

 

個別化医療の時代
遺伝子検査で治療戦略/遺伝子異常をとらえて薬を選択
分子標的薬、保険適用も/がん細胞が多様性を獲得する前に

 

放射線治療の利点を知ろう
進化するハイテク医療/免疫力を活かしてがん細胞を攻撃
早期がんは外来通院で/ハイドロゲルを使った放射線治療
がんをピンポイントでねらう粒子線治療

 

情報に惑わされないために
放置療法は例外と考えて/エビデンスに支えられた標準治療
代替療法で高まる死亡リスク/ネット情報は玉石混交
個々の治療の有効性に着目

 

 

第5章 がんと生きる知恵を学ぼう

治療の出発点で大事なこと
告知や告白、当たり前の行為に/大きな決断は落ち着いてから
自殺のリスク、直後だけでなく治療中も

 

治療と仕事の両立を目指して
4人に3人が「仕事を続けたい」/急がれる時短勤務制度の導入
両立のカギ、やはり早期発見

 

緩和ケアを正しく理解しよう
痛みは我慢せずに/生活の質を改善、延命効果も
日本の緩和ケアは発展途上

 

進行がんとともに
転移しても長く生きられる/食事と運動が進行を抑える秘訣
10年を超えての再発も/「時間」という大事な要素

 

がんがあっても自分らしく
全うした自分の「生き方」/多くの日本人がブログで追体験

 

 

第6章 社会の中でがんと向き合う

がん対策の要は「全国がん登録」
なぜ患者情報の管理が必要なのか/データから見えたこと
利点の多いオンライン管理/「AYA」世代にも焦点を

 

重要性を増す企業サポート
がん対策推進企業アクションの取り組み
経営者のがんリテラシーが社員を守る/会社全体で闘病を支援

 

急がれる受動喫煙対策
より積極的な受動喫煙防止策へ/大幅な規制緩和で後退も
対策はコンビニから

 

データが示すさまざまな課題

糖尿病によるがんの急増を警戒/なくならない医療の格差
長期避難がもたらす健康被害/がん大国となった中国
女性医師が働きやすい環境を

 

大丈夫という思い込みを捨てよう
知っておくべき7か条

 

 

あとがき

中川恵一(なかがわ けいいち)
東京大学医学部附属病院放射線治療部門長。医学博士。 厚生労働省がん対策推進企業アクション議長、文部科学省「がん教育」の在り方に関する検討会委員を務める。日本経済新聞で「がん社会を診る」を連載中。