ニュートンの時計
太陽系のなかのカオス

アイバース・ピーターソン 著/野本 陽代 訳

1995年5月25日 A5判 27.6cm×20.6cm 340ページ ISBN978-4-532-52044-1

3,204円+税

ご購入はお近くの書店または下記ネット書店をご利用ください。

  • amazon.co.jp
  • セブンアンドワイ
  • 紀伊国屋書店
  • 楽天ブックス
  • honto
  • TSUTAYA

朝日新聞の書評欄で米沢富美子・慶応義塾大学教授が絶賛された注目の本です。16世紀の末,ニュートンは惑星の軌道とその位置を算出する計算式を発見しました。だが,時計のように正確と思われていた惑星の動きには,微妙な“ゆらぎ”があったのです。このゆらぎは何によって生じ,太陽系に何をもたらすのでしょうか。ケプラーやポアンカレといった研究者の業績を紹介し,最新のシミュレーション結果を解説します。

アイバース・ピーターソン 著/野本 陽代 訳

目次

 

第1章 時計仕掛けに見られるカオス

秩序のなかのかすかな乱れ/天文学的な予測と数学/数学モデルの目的/太陽系の安定性/軌道を乱す第三の天体/コンピューターの威力/ニュートンの法則とカオス/惑星の配置の謎

 

第2章 計時器

アンティキティラの機械/太陽と星の運動/天文周期を表すアナログ・コンピューター/ヒッパルコスの発見/プトレマイオスの宇宙/コロンブスの賭け/レギオモンタヌスからコペルニクスへ

 

第3章 空の放浪者

ティコとケプラー/ケプラーがめざした改革/地球中心説と太陽中心説/天体に働く物理的な力/蓄積された観測データの威力/時代を映す『新天文学』/八面六臂の研究活動/ケプラーの第三法則

 

第4章 思考の海

レンとフックとハレー/独立独歩の人、ニュートン/不滅の著作『プリンキピア』/数学の発展/理論物理学の始まり/運動の三法則/万有引力の法則/ニュートンの成功の光と影

 

第5章 時計仕掛けの惑星

ハーシェル、天王星を発見/気まぐれな惑星/栄誉は誰の手に/見つかったのは偶然!?/冥王星の発見

 

第6章 気まぐれな月

巨石の群れ/食の観測と予想/次々と見つかる月のリズムの変調/ニュートンの頭痛の種/数学者たちの挑戦/謎だらけの月の運動/三体問題への新たな取り組み

 

第7章 カオスの予言者

コンテストの課題/アンリ・ポアンカレ登場/位相空間の軌跡/受賞論文をめぐるトラブル/革命的な解/初期条件への鋭敏性/力学的カオスの種

 

第8章 帯状のすきま

ガスプラの横顔/小惑星の発見/見つかる、見失う/カークウッドのすきま/地球軌道を横切る小惑星/省惑星の不足と過剰/安定したカオス

 

第9章 ヒペリオンは転がる

奇妙な衛星ヒペリオン/ヒペリオンの光度測定/不規則に変動する光度曲線/カオスがつきもの、いびつな衛星/二十年かけた月の研究/人工衛星と安定した軌道/衛星軌道の視覚化

 

第10章 デジタル・オーラリ

数学者としては最高、行政官としては最低/ラプラスの太陽系/数理天文学者の心配/天体力学専用のコンピューター/時間を旅するデジタル・オーラリ/計算誤差の克服/冥王星の軌道に見られるカオス/広がっていくカオス

 

第11章 天体の不協和音

太陽系の将来の探究/地球にも見られるカオスの徴候/共鳴がもたらす予測不能性/太陽系はカオスの巣/カオスが果たした役割/奇妙で微妙な安定状態/時計仕掛けではなかった太陽系/月がもたらす地球の安定

 

第12章 驚異の機械

人間社会の混乱と天の秩序/アリストテレスの物理学/ベーコンの業績/ケプラー、ニュートン、ポアンカレ/解明はつねに一歩先/数理天文学の二つの流れ/残された謎

 

参考文献

訳者あとがき

索引

著者:アイバース・ピーターソン Ivars Peterson
サイエンス・ライター。天文学や物理学,数学などの最新動向を各誌に寄稿している。科学知識の普及に関する業績に対し1991年にThe Joint Policy Board for MathematicsからCommunicationAwardを受賞した。著書にThe Mathematical Tourist(1988),Islands of Truth1990)がある。

訳者:野本陽代(のもと・あきよ)
慶應義塾大学法学部卒業。サイエンスライター。著書に『日本のロケット』(NHKブックス),『宇宙はどこまで見えてきたか』(岩波書店)など,訳書にP.コヴニー,R.ハイフィールド『時間の矢,生命の矢』草思社),T.フェリス『銀河の時代』(工作舎)などがある。