日経サイエンス

日経サイエンスは米国の科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本版です。

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パズリングアドベンチャー 答え
仲介人のふりをした盗人を探せ!  
  デニス・シャシャ 難易度 ★☆☆

問題1:
答えは9回。
最初に,盗難のない配達が起これば,それにかかわらなかった2人のうち,誰が盗人で誰が盗人でないかは,残り2回の送付で明らかにできる。例えば,M1 M2 M3を介して安全に配達されたとすると,M1 M2 M4およびM1 M2 M5を介した送付によって(M1とM2は盗人でないので)残りのM4およびM5の正体がわかる。これを「2回判定法」と呼ぼう。
さて,9回で盗人を確定するには最初の4回で次を試す。

1: M1 M4 M5
2: M2 M4 M5
3: M3 M4 M5
4: M1 M2 M3

この中に盗難が起きない場合があれば「2回判定法」を使えばよい。すべてで盗難が起きたとすると,最初の3回からM4,M5の1人以上は盗人で,4回目からM1,M2,M3の中にも盗人がいることがわかる。さらに盗人は2人以下だから,M4,M5の中に1人,M1,M2,M3の中に1人盗人がいる。

あと5回あれば盗人の可能性,{M1,M4},{M1,M5},{M2,M4},
{M2,M5},{M3,M4},{M3,M5}をすべてチェックできる。実際,

5: M2 M3 M5で盗難がなければ盗人はM1とM4だ。
6: M2 M3 M4で盗難がなければ盗人はM1とM5だ。
7: M1 M3 M5で盗難がなければ盗人はM2とM4だ。
8: M1 M3 M4で盗難がなければ盗人はM2とM5だ。
9: M1 M2 M5で盗難がなければ盗人はM3とM4で,
  これらすべてで盗難があれば盗人はM3とM5だ。

レザンカ(Ivan Rezanka)は,すべての場合を調べて,9回が最短であることを示した(訳注:盗人の集合の可能性は,φ(空),{M1},{M2},{M3},{M4},{M5},{M1,M2},
{M1,M3},{M1,M4},{M1,M5},{M2,M3},{M2,M4},
{M2,M5},{M3,M4},{M3,M5},{M4,M5}の16通りだから,各回の発送でどの可能性が除かれるかを順に調べると,どうしても9回かかることがわかる)。


問題2:
未解決だが,以下は解決のヒントになるだろう。仲介人が自分のところに来たときに封が破られていたかどうかを報告する場合,最初に次の4回を試してみよう。

1: M4 M1 M5
2: M4 M2 M5
3: M4 M3 M5
4: M1 M2 M3

問1の解同様,すべての回で盗難が起きた場合を考えると,盗人はM1,M2,M3の中に1人,M4,M5の中に1人いる。したがって,M4が盗人なら,最初の3回のうち少なくとも2回でM4が盗んだことが報告される。しかし,M5も(盗人なら)同じ状況を起こすことができるのだ。


問題はこちら
■訳者 山崎秀記(やまさき・ひでき)
一橋大学商学部教授。専門は計算機科学。
 
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