次のような方法が1つの答えになるだろう。各投票用紙に手書き用の「自由記入欄」を設け,さらに票番号をつける欄を加える。自由記入欄が,2枚目の先頭項目になり,票番号も複写されるが,票を投じた候補者名や政党名は複写されない(条件5)。
投票者が自分の選ぶ候補者や党の名前を書き込むと,何らかの形で票番号が印刷される。さらに自由記入欄に何でも好きなこと(数字や言葉,イラストなど)を手書きで記入してもらう。2枚目を剥がし取ったあと,投票用紙を投票箱に入れる。2枚目には,票番号とともに手書き部分が複写されている。投票者の中には,持ち帰った2枚目をすぐに捨てる人もいるだろうが,大切なのは,2枚目を保管しておく機会があったことを誰もが知っているという点だ。
再集計の必要が生じた場合,票を数え直すと同時に,自由記入欄の書き込みを画像にしてウェブサイトなどで公開する。各投票者は,票番号に基づいて公開された画像を調べ,たしかに自分の手書きかどうかを確認できる(食い違いがあれば,手元の2枚目を,不正が行われたことの物的証拠にできる)。総票数の確認もできる。投票したのに自分の票がないといった事態はこれで避けられる。高性能の写真複写機を使って,票を片っ端からコピーし,候補者名だけをすり替えるといった大規模な不正が起こっていないことを確認するには,ランダムに選んだ少数の票に対しておかしな点がないかを詳しく調べればよい。