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双子の冒険(3)
麻薬輸送バスのナンバーは?
デニス・シャシャ
双子の姉弟が活躍するシリーズの今回は,素因数分解が出てくる。といってもごく簡単なものなので,家族で楽しんでもらいたい。(編集部)
クラッギー・プライムは世捨て人だ。クラッギーという名は,岩山登りが好きなせいで付けられていた。プライムというほうは,数,特に素数(prime)を扱う驚くべき能力にちなんで,双子探偵クロエとエリが後から付けた。
クラッギーに初めて出会ったとき,双子は,川に近い荒れた小道を歩いていた。地元の警察は,この道が大がかりな麻薬輸送に使われていることを突き止めた。 麻薬の運搬にはバスが使われている。厄介なことに,この道を過ぎて町に入ってしまうと,麻薬運搬用のバスは普通のバスと見分けがつかない。 手がかりとなるのは,フロントグラスの上についている路線番号を示す表示と,この道でそれを目撃した世捨て人の証言だけだ。
GARY ZAMCHICK
「私がここに来る途中で見たあるバスの番号には奇妙な点があった」。クラッギーは,何の前置きもなしに,いかにも意味ありげに語った。「そのバスの番号は2桁の数で,2つの数字の和は,その番号の素因数の和に等しかったよ」。
問1:
クロエとエリは,バスの番号を即座に計算してみせた。それはいくつか?
ヒント:
45という数を考えてみよう。その素因数は3,3,5だから,その和は3+3+3=11だ。一方,2つの桁の和は4+5=9だからバスの番号は45ではない。
双子はバスの番号を警察に報告した。警察はバスを見つけ,麻薬が運ばれていた形跡も発見した。しかし警察は,この輸送計画に加担しているバスが他にもあるに違いないとにらんでいた。双子が行って見回すと,クラッギーはフレンチ・ドームと呼ばれている休火山の頂上に立ってじっとしていた。
「そうさ。他にももう1台,奇妙なバスを見た」。クラッギーは白昼夢から覚めると言った。「その番号も2桁の数で,2つの数字の和は番号の素因数の和の半分だった」。
「それでは十分な情報とはいえないわ」と姉のクロエが抗議した。
「いかにも」とクラッギー。「うん,問題のバスの番号は,素因数を2つしか持たない」。
「それならわかった」とエリが言った。
問2:
エリが計算したバスの番号はいくつか?
「君は実に頭がいい。」クラッギーはタバコで荒れた声でクックックッと笑った。「2桁の番号のバスがもう1台ある。2つの数字の和は,その番号の素因数の和より大きくて,素因数の個数は5ではない」。
「それも十分な情報とはいえないよ」とエリ。
「そうだね。いいぞ。その番号を特定するには,素因数が何個あるかを教えればいいのさ」とクラッギー。
「その必要はないわ」とクロエが口をはさんだ。「番号がわかったわ」。
問3:
その番号はいくつか?どうしてクロエにはそれがわかったか。
坂井公(さかい・こう)
筑波大学数学系助教授。専門は計算機科学。
Dennis E. Shasha
ニューヨーク大学クーラント研究所教授。
専門は計算機科学。
原題名
Mathematical Hermit
(SCIENTIFIC AMERICANのウェブサイト
http://www.sciam.com/
より)
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