日経サイエンス

日経サイエンスは米国の科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本版です。

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パズリングアドベンチャータイトル
難易度 ★★★
カードを当てろ! デニス・シャシャ

 8歳から12歳までの間,私はルーレット,ポーカー,ブラックジャックなどなど,1回3セントを賭け金にいろいろなゲームを楽しんだ。中でも一番好きだったのはインディアンポーカーだ。各自,トランプの山から1枚取り,おでこの上に表を前に向けて持つ。つまり,他人のカードは見えるが,自分のカードは見えない。
 他のプレーヤーのカードやチップの賭け方などから自分のカードを推測し,賭けるチップの枚数を決めていく。エース(A)が最強で,一番強いカードを持っている人が賭けられたチップをもらう。スペードやハートといったスーツは関係なく,勝負は「勝ち」「負け」「1位タイ」のどれかになる。
 
 今月のパズルはインディアンポーカーからヒントを得た。プレーヤーの発言から,カードを推測するのが問題だ。3人でゲームをしているとしよう。キャロラインが常に口火を切り,デビッド,ジョーダンと続き,またキャロラインに戻る。プレーヤーはそれぞれ下のリストにあげた文の1つを言う。プレーヤーは完璧な論理の使い手で,これらの文だけを使って情報を明らかにする。他人の発言と見えているカードからわかる限り強い主張,すなわち,リストのできる限り上にある文を述べなくてはならない。

 宣言の種類
「勝ちだ」
 (自分は他の誰よりも強いカードを持っている)
「負けだ」
 (自分より強いカードを持っている人がいる)
「1位タイだ」
 (自分と他に少なくとも1人が1番強いカードを持っている)
「勝ちではない」
 (1位タイか負けかのどちらかだ)
「負けではない」
 (勝ちか1位タイのどちらかだ)
「わからない」

ウォーミングアップ問題
キャロラインが「わからない」と言ったとしよう。次にデビッドが「負けだ」と言い,ジョーダンも「負けだ」と言った。この時点で私たち(とプレーヤー)はキャロラインがエースを持ち,他はエースを持っていないことがわかる。その理由を説明してほしい。

image
 
ウォーミングアップ問題の答え
図のプレーヤーのカードが見えなくても,プレーヤーの発言からキャロラインがエースを持ち,あとの2人はエースを持っていないことがわかる。キャロラインは,エースが見えれば勝ちはないことがわかるから「勝ちではない」と言うはずだ。しかしエースが見えず,自分のカードについて何も情報がないことから,彼女は「わからない」と言うしかない。彼女が「わからない」と言ったことから,他の2人は自分がエースを持っていないとわかる。そして,キャロラインのエースが見えている2人はともに自分たちの負けを知る。

今月の問題:以下のシナリオから,各自のカードについて何がわかるか。
ゲーム1: キャロラインは「わからない」と言った。次にデビッドは「勝ちではない」と言い,ジョーダンは「勝ちだ」と言った。
ゲーム2: キャロラインは「わからない」。デビッドは「勝ちではない」,ジョーダンは「1位タイだ」と言った。
ゲーム3: キャロラインは「わからない」。デビッドは「勝ちではない」。ジョーダンも「勝ちではない」。
ゲーム4: キャロラインは「わからない」。デビッドも「わからない」。ジョーダンも「わからない」と言った。2周目の最初に,キャロラインは「負けだ」と答えた。デビッドとジョーダンが次に何と言うか。
ゲーム5: 1周目で3人は順番に「わからない」と言った。2周目も全員「わからない」と言った。3周目に入って,キャロラインとデビッドは「わからない」と言ったが,ジョーダンは「勝ちだ」と言った。ジョーダンが持っていたカードは何か。そして彼が見ていたカードは何か。

 
答えはこちらから
 

訳者 山崎秀記(やまさき・ひでき)
一橋大学商学部教授。専門は計算機科学。
 

著者 Dennis E. Shasha
ニューヨーク大学クーラント研究所教授。
専門は計算機科学。
 
原題名
Bluffhead
(SCIENTIFIC AMERICAN April 2004)
 

 
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