日経サイエンス

日経サイエンスは米国の科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本版です。

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懸賞つき特別企画「パズルの挑戦!」
田中裕一/山崎秀記/坂井 公
※受付は終了いたしました。多数のご応募ありがとうございました。
好評連載中の「パズリング・アドベンチャー」に対して,読者の方からすばらしい解答が寄せられるようになってきました。ちょっとした工夫や発想の転換がきっかけとなってパズルがぐんと解きやすくなっていくのは驚きです。今回,読者の皆さまに広くパズルに参加していただくため,オリジナルの問題を用意しました。お寄せいただいた解答を出題者の3人が審査し,優秀作には図書券3万円分,佳作には同1万円分を贈呈いたします。ぜひ,挑戦してください。(編集部)

 8人の子どもが輪になって座り,次のようなゲームをすることになりました。まず最初に,くじ引きで王様が1人選ばれ,この王様だけが立ち上がります。王様はそこで,自分の家来たちをどんな順序で立たせるかを決める規則を宣言します。
 
 たとえば「3人目ごと!」と宣言すると,王様から時計回りに数えて3人目の人がまず立ち上がり,さらにそこから時計回りに数えて3人目……と,次々に3人目の人が立ち上がっていき,7回の繰り返しで家来全員が立ち上がります。このようにできた王様は「善い」王様と呼ばれます。
 王様を0とし,その隣りから順に1〜7の番号をつけると,今の場合は
  3→6→1→4→7→2→5
という順番に家来を立たせたことになります。これで全員が立ち上がったので,善い王様となったわけです。
 
 ところが,最初に「4人目ごと!」などと宣言すると,2回目で王様自身に当たってしまいます。このように,途中ですでに立ち上がっている人に当たるとゲームはそこで終了し,王様は「悪い」王様と呼ばれてしまいます。
 
[1]8人で遊ぶとき,善い王様となるためには,何人目ごとに立たせればいいでしょうか。また,一般にn人で遊ぶときには,何人目ごとに立たせればいいでしょうか。

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 この原理がわかってしまった子どもたちは,規則をもっと複雑にすることを考え始めました。
 最初の王様は,「第1の家来はボクから時計回りに1人目(隣り),第2の家来はそこから2人目,第3の家来はそこから3人目……と,間隔を1つずつ増やす」と宣言しました。

 
[2]8人で遊ぶとき,この王様は善い王様になるでしょうか,それとも悪い王様になるでしょうか。人数が5人のときはどうでしょうか。他に,善い王様になるような子どもの人数には,どのようなものがあるでしょうか。さらに,子どもの人数をn人とするとき,善い王様になるための条件はどのように表現できるでしょうか。
 
 次に立った王様は,いたずらっぽく笑って,「第1の家来はボクから1人目,第2の家来はそこから3人目,第3の家来はそこから5人目……と,間隔を奇数で増やす」と宣言しました。
 
[3]8人で遊ぶとき,この王様は善い王様になるでしょうか,それとも悪い王様になるでしょうか。また,一般にn人のときにはどうでしょうか。
 
 後になって子どもたちは,宣言した規則が「数列」を定めているのだということを教わりました。これまでに考えてきたのは,どれも簡単な等差数列の例でした。また,その他にも等比数列などのいろいろな数列を用いた規則が考えられることも教わりました。
 等差数列とは1つの数(初項)から始めて,同じ数(公差)を次々に足して得られる数列です。たとえば初項が5で公差が3ならば5,8,11……となります。等比数列は初項に同じ数(公比)を掛けていきます。初項2で公比3ならば,2,6,18……となります。問題[1]は公差が0の等差数列(または,公比が1の等比数列),問題[2]は初項1,公差1の等差数列,問題[3]は初項1,公差2の等差数列となります。

 
[4]子どもの人数をn人とするとき,正の項だけからなる等差数列を規則として宣言することにします。この場合,善い王様となるための初項と公差に関する条件はどうなるでしょうか。ただし,公差は0ではないものとします。
 
[5]正の項ばかりからなる等比数列を規則として宣言した場合,善い王様となるための初項と公比に関する条件はどうなるでしょうか。ただし,公比は1ではないものとします。
 
 出題者の3人はこれらの一般化した問題をまだ完全には解いていません。ぜひ,いろいろな場合にチャレンジして,可能ならば証明をつけてください。余裕がある人は次の問題も考えてみてください。
  
[6]その他の数列で,善い王様となるための一般的な法則を簡単な形で表現できるものはあるでしょうか。

等差数列と等比数列の場合には,枠内に数を指定すると
子どもが立ち上がる様子を見ることができます。
人数: 初項: 公差:
公比:

出題と審査
田中裕一(たなか・ゆういち)
山崎秀記(やまさき・ひでき)
坂井公(さかい・こう)
3人とも本誌の連載パズリング・アドベンチャーの訳者で,専門は計算機科学。
 

 
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