日経サイエンスは米国の科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本版です。
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遭難者を捜せ
デニス・シャシャ
ハイカーが1辺10kmの正方形状の原野のどこかで大怪我をしてしまった。歩けないので救難信号を発信しているが,この信号の到達距離は2kmだ。救助隊がその電波の到達範囲に入れば,方向探知機を使って直ちに遭難者を助けに行くことができる。あなたの任務は,救難信号の届く範囲に,できるだけ早く,確実に入ることだ。ただし救助隊の四輪駆動車は,この正方形の辺上であれば,どの地点から進入してもよいものとし,連続した線に沿ってのみ動けるものとする。また,その速度は10分に1kmとする。
ウォーミングアップ
ウォーミングアップ
として,長方形の原野の問題を考えよう。原野の面積は100km
2
のままとする。長方形の各辺の長さがどのようになっているとき,救難信号を最短時間で確実にキャッチすることができるだろうか?答えを下に示した。
1辺が10kmの正方形の問題に戻って,300分以内に確実にハイカーを見つける方法を考えてもらいたい。これが今月の問題だ。
このパズルにはいろいろなバリエーションが考えられる。たとえば,救助隊が2チーム以上ある場合はどうだろう?複数の経路に沿って動くと探索は簡単になるだろうか?私が最も面白いと思うのは,救難信号が変化する問題だ。たとえば,信号が1分ごとにオンとオフを繰り返すのはどうだろう。その場合,350分以内にハイカーを見つける方法があるだろうか。
ウォーミングアップ問題の答え
捜索時間が最短になるのは長さ25km,幅4kmの長方形の場合だ。四輪駆動車は一方の短辺の中央から入り,対辺の中央に向かってまっすぐに進む。この25kmを進むのに250分かかるが,その間に長方形内のあらゆる点から2km以内の地点を通る(訳注:米国の読者がこれよりもさらに短くてすむ解を見つけている。詳しくは
こちら
)。
田中 裕一(たなか・ゆういち)
アルティス・リサーチ代表。
専門は計算機科学。
Dennis E. Shasha
ニューヨーク大学クーラント研究所教授。
専門は計算機科学。
原題名
Missing Hiker
(SCIENTIFIC AMERICAN September 2003)
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