パズルの国のアリス

自動ピザカッター(問題)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 鏡の国は今,ちょっとしたイタリア料理ブームだ。といっても,高級料理店への客足はそれほど多くないようで,繁盛しているのはもっぱらピザを中心に提供している店だ。

 東ナイト駅の近くにも,ピザ店がオープンした。看板メニューは大きなピザだが,焼き上がった丸いピザが大きすぎて切るのが大変ということで,自動ピザカッターを作ってほしいという依頼が白の騎士のところに来た。一切れのサイズは気にしなくて構わないから,とにかくバサッと切り分けてくれるものがよいという。そこで,白の騎士は,丸いピザの周の2点を選び,その2点を結ぶ直線に沿って切るというカッターを開発した。

 そのカッターで何回か切ったピザは,一切れのサイズも形もマチマチで,放射状に切られたものよりも面白いと評判もよく,白の騎士もピザ店主も気をよくしている。実際,丸いピザがどのような形に,いくつに切り分けられるかというのは運任せみたいなもので,カッターから出てくるまでわからない。

 さて,読者にはまずウォーミングアップとして,丸いピザをこのカッターでn回切ると,最大でいくつのピースに分かれるかを考えていただきたい。また,カッターが丸いピザの周の2点を「一様ランダムに」選んで切っているとしたら,n回カットすると平均でいくつのピースに分かれるだろうか?

 実は,白の騎士は別のカッターも試作していた。そのカッターは丸いピザの周上の点を同時にm個選び,その2点ずつを結ぶ直線すべてに沿って一気に切るというものだった。効率よくカットできるが,一切れが小さくなりすぎることが頻繁に起こり,採用されなかった。参考のため,mが3,4,5の場合のカット例を下図に示す。ピース数はそれぞれ4,8,16だが,一般のmの場合,このカッターによるピース数を表す式はどうなるだろうか。なお,3本以上の切断線が交わるというようなことは,周上でしか起こらないものとする。

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