パズルの国のアリス

トランプ王国の博覧会会場(問題)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 トランプ王国の主催で博覧会をやることになった。いつものことながら,ハートの女王は大はりきりで,一番最初に会場予定地を訪れた。そして,ハート王室の本部を会場の1点に定めたうえ,そこを中心に大きな円を描き,ハート王室の展示領域をその円の内側全体と決めてしまった。

 こうなると他の王室もじっとしてはいられない。スペード,ダイヤ,クラブの各王室も王侯たちが自ら会場に乗り込み,それぞれの王室の領域を円形に定め,本部をその中心に設定した。しかも,それぞれの展示領域の面積をなるべく大きくしようとしたから,結局,各王室の4つの展示領域は互いに接することになった。

 この接点にゲートを設けて,来場者が各領域間を自由に行き来できるようにしようというのは,自然のなりゆきだ。さらに,見た目が美しく,かつ来場者に便利な通路を配置しようということで,イモムシ探偵局に相談が行き,例によってグリフォンがアリスとともに視察に来た。

 4つの展示領域が互いに接しているのを見たとたん「これはよい」とグリフォン。「何はともあれ,下図の破線のように4つのゲートを通る円形の通路を最初に作るのがよいだろう。5つの円が絡み合った面白い形になる。残りの通路は円形の通路から枝分かれさせて,各領域の他の地点に行ったり,会場の外に出られるように,それぞれの王室で設計すればよい」と言う。

 もっともな考えだが,それを聞いていたアリスが質問する。「そうできれば,確かにバランスが取れた形になるけど……各領域の大きさがバラバラなのに,どうして4つのゲートを通る円が描けると断言できるんですか? 楕円とか別の形になることはないのですか?」

 アリスの疑問も自然な気がするが,実はグリフォンの言葉は根拠のないものではない。読者の皆さんには,左図のように4つの円が接しているとき,接点A,B,C,Dが同一円周上にあることを証明していただきたい。

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