パズルの国のアリス

正多角形を小さくたたむには?(問題)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 アリスと白の騎士が大工を久々に表敬訪問すると,大工は何やら渋い顔をして考え込んでいた。そばでセイウチもお付き合いで頭をひねっている。

 「おお,ちょうどいいところに来てくれた」と大工。「相談だが,実は赤の王室から金属フレームを作ってほしいという注文があった。前にも似た注文を受けたことがあったが(2013年4月号「フレームと筋交い」,『数学パズルの迷宮』に収載),そのときは正方格子状のフレームだった。今度は正多角形状のフレームだ。フレームは同じ長さの細い金属板をビスでつないだだけのものだから,安定させるために筋交いを入れねばならないのは前と同じだ。前のときは,筋交いを何カ所に入れなければならないかで悩んだが,今回は正多角形だから簡単。どんな正多角形も,筋交いを利用して,3角形だけから構成されているように分割できれば安定する。だから正n角形ならn−3本の筋交いを用意すればいい」。

 「なんだ,では問題などないではないか」と白の騎士が言うと,「いや,問題はそこではない」と大工。「フレームを使っているときはいいのだが,使っていないときは,筋交いを外してなるべく小さくたためるようにというのが赤の女王からの要求だ。正n角形のフレームはビス部分を関節にしてうまくおりたためば,nが偶数のときには長さは小さくなるし面積は無視できるほどになるが,nが奇数のときがうまくいかない。例えば,正7角形の場合のおりたたみ方をいくつか考えてみたのだが,長さはともかく面積があまり小さくならないのだ(下図)。どうしても正3角形の面積くらいの領域ができてしまう」。

 例によってアリスが口を挟む。「こんな感じにたためば,もっと小さくなるんじゃないかしら」と,フレームを交差させて星形の図形にたたんでみせる。すると,セイウチが代わって答える。「おいらもそんなのを提案したんだけど,フレームを交差させるのは禁じ手らしいよ。使おうとするときにビスが邪魔になって広げにくくなるから」。

 「ふーむ」と,一同どうしたものかなと頭をひねり始めたが,読者の皆さんに名案はおありだろうか? 正7角形の場合に,フレームを交差させないで正3角形よりもずっと小さい面積にたたむことはできるだろうか? できるならばその形を示してほしい。不可能ならばそのことを証明していただきたい。正7角形はダメでも,正5角形や正9角形,ほか の正奇数角形の場合にうまいたたみ方はあるだろうか?

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