パズルの国のアリス

宅配便の料金は なるべく安く(問題)

 ヤマネは,外国に滞在中の兄から,愛用のスキー板を送ってくれるように頼まれた。兄はどうも雪国にいるようで,パウダースノーを楽しむチャンスということらしい。ヤマネの兄は種族の平均からするとずいぶんと大柄だが,それでもその体長に合うスキー板はかなり短いから,貸しスキーでそういうのを探すのは面倒だし使い慣れた板でないと調子が上がらないということのようだ。

 それで姪(つまり兄の娘)たちに手伝わせ梱包すると,幅は無視できるほどだが,長さは50cm程度の荷物になった。兄が急ぐというので国際宅配便の業者に持ち込むと,その業者の宅配料金制度は変わっていて,送り先や体積,重量に関係なく,荷物を箱に詰めて,その箱の縦・横・高さのうち一番長いものに比例するという。

 そこでヤマネが近くにあった長さ50cm強の細長い箱に荷物を詰めようとすると,姪のサンデイからストップがかかる。「ダメよ,叔父ちゃん。そんなのに入れたら高くついちゃうわ」と言って,1 辺30cmほどの立方体の箱を探してきた。荷物を対角線方向に斜めに入れるとうまくおさまり,「ほら,これで3 割以上安くなるわ」。

 それで満足していると,マンデイがどこから持ち出してきたのか,宅配業者一覧表を片手に,「ねえ,待ってよ。このカタログにある別の業者は,同じ長さだと,そもそも料金が2割以上安いわ。その代わり,長さというのは箱の縦・横・高さの合計だということよ」。
姪たちは,どちらが安くつくか,「うーん」とうなって考え込んでしまったが,読者にも考えていただこう。荷物を細長いa×b×50(cm)の箱に入れて送る場合,abは無視できるほどだから,元の業者で同じ箱で送るより,明らかにこの新しい業者のほうが安くなる。この業者の場合も,うまく箱を選んでさらに料金を下げる方法があるだろうか?

 まずウォーミングアップとして,この問題の2次元版,つまりa×bの長方形をx×yの長方形の箱に詰めて送ろうとするとき,必ずabxyとなることを証明していただきたい。次に3次元版,つまりa×b×cの直方体をx×y×zの箱に入れて送ろうとする場合,xyzabc以上になってしまうことを証明してほしい。したがって,新しい業者の場合,宅配料金は最低でも0+0+50=50cmに比例してしまう。

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