パズルの国のアリス

宅配便の料金は なるべく安く(解答)

 最初の2次元版の問題は,ウォーミングアップとしても易しすぎたかもしれない。下図のようにa×bの長方形がx×yの箱におさまっているとしよう。

abx方向への射影長をxaxbとすると,xaxbxである。同様にy方向への射影長をそれぞれyaybとすると,yaybyである。axayaには3平方の定理によりxa2ya2a2という関係があるが,それを持ち出すまでもなく,三角不等式によりaxayaだ。同様に,bxbybだからabxayaxbybxy である。

 この考えを延長して3次元の場合を扱うのは不可能ではない。実際,a×b×cの直方体がx×y×zの箱に入っている場合,下図のようにx×y平面に射影した状況を考えると,青く塗られた3つの面の射影の合計がxy以下になることは明らかであり,他の平面への射影も同様だ。

 そこで,a×bの面の3方向への射影の面積をs1s2s3としたとき,abs1s2s3を示すことができれば,b×cc×aの面についても同じだから

が示される。また,a×b×cの直方体の対角線の長さはなので,この長さの直線が箱におさまるには

が必要だ。あとは,この2つの不等式を並べて少し変形すれば,a×b×cx×y×zが得られる(これは簡単なので読者に考えていただこう)。だが,abbccaxyyzzxの証明は,面倒そうに見えて,(少なくとも筆者には)よいアイデアが浮かばない。

 というわけで,その証明を避けて,もっと高次元の場合にも拡張できそうな,まったく別の解析的なアイデアを紹介しよう。a×b×cの直方体がx×y×zの箱におさまっているとし,その直方体を厚みdの梱包材で均等にくるむことを考えよう。3次元のままでは図が描きにくいので,a×bの方向に射影して描くと下図のようになる。

 この梱包材込みの体積はどうなるだろうか。元の体積abc以外に梱包材の体積が加わる。まず各面に厚みdの梱包材が加わり,その分は2(abbcca)dだ。また,各辺の周りの分を集めるとπ(ab+c)d2となる。最後に,各頂点の周りの分を集めると,それはちょうど半径dの球になるから,4πd3/3となる。結局,梱包材を含めた直方体の体積は

となる。もちろんこれは元の箱にはおさまらないが,箱のほうも均等にdだけ膨らませれば入るはずだ。この膨らませた箱の容積は,同様に

が成り立つ。全体をπd2で割れば

だが,dがどんなに大きくてもこの式は成り立つので,d→∞とした極限をとることで前2項は0に収束し,xyzabcが示される。

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