パズルの国のアリス

平等な綱引き(問題)

 赤の女王と白の女王が談話室で相談していた。近いうちに親睦と健康増進をかねて赤王室,白王室の対抗運動会を開こうということになっており,両王室とも各競技ごとに次々と代表選手を定めつつあったが,話題は双方のポーンたちが全員参加で行う綱引きの件だ。

 赤の女王が言う「白の陛下もご存じのことと思いますが,どうもこの綱引きという競技は,力比べとは申せ,何やら体重がものを言うらしいですね」。

 「わらわもそれは聞いたことがあります」と白の女王。「力が強くても体重が軽いと,引いたとき自分の体が相手のほうに引き寄せられてしまうと……」。

 「そこで相談ですが,場合によっては,ハンディを付けられるように,選手たちの身体測定をしておいてはいかかがなものでしょうか?」

 ということで,(体重を測ればよさそうなものだが,何事にもちぐはぐなチェス王国の常で)ポーンたち全員の身長を測定してみた。ポーンたちはいずれも同じような背格好に見えるが,実は微妙に身長が違っており,その順に16人全員を並べるときれいな等差数列になることがわかった。しかも,赤のポーンたち8人の身長の合計と白のポーンたち8人の身長の合計とは見事に一致した。

 これでハンディなし勝負ということで一件落着かと思うと,こだわり屋の白の王から「いやいや,身長ではなく体重が大事なんじゃろう」とクレームが入った。そこで「では体重測定を」ということになるかと思いきや,「形が相似ならば,体重は身長の3乗に比例するはずじゃ」と妙に数学的なことを言う。しかし,それならあらためて体重測定するまでもなく計算だけで済む。というわけで,ポーンたちの身長の3乗を計算してみると,赤白の合計はまたまた見事に一致し,晴れて問題は氷解した。

 あとでその話を聞いて,気になったアリスが試しにポーンの身長の2乗の和を計算してみたところ,驚いたことに赤の合計と白の合計は,また同じだったという。

 さて,読者に考えていただきたいのは,こういうことが起こるには赤白のポーンたちの身長がどういう分布になっていればよいかということだ。もちろん,等差数列をなすと言っても公差が0(すなわち全員の身長が同じ)ということはない。

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