パズルの国のアリス

展示台の設計(解答)

白騎士が気づいたことは正しいのだが,それを疑問なく納得するのは容易でないかもしれない。そこで,まず簡単な場合として,ただの3角形フレームの場合を考えてみよう。この場合,フレームが1つの平面内に納まるのは明らかだし,フレームがひどく大きくない限り,球を各辺に接するように置くことができることも直感的には自明だろうが,もう少し精密に状況を把握してみよう。

 この場合は,3角形フレームの内接円が重要だ。球の半径がこの内接円の半径より大きい場合,水平に置かれたこの3角形フレームの上に球を置けば,球はその緯線の1つがこの内接円に一致するような形で安定する。このときフレームが作る3角形をABCとしよう。また載せた球が辺AB,BC,CAと接する点をX,Y,Zとすると,これらは内接円が3角形と接する点でもあるから,AZ=AX,BX=BY,CY=CZが成り立っている。

 必ずしも同一平面内に納まらない4辺形のフレームの場合でも,この事実が成立していることに気がつくことがポイントだ。つまり,4辺形フレームの端点を順にA,B,C,Dとして,線分AB,BC,CD,DAが同一球にX,Y,Z,Wで接しているとすると,AW=AX,BX=BY,CY=CZ,DZ=DWが成り立っている。要は,球外の一点から球面に接線を延ばした場合,その点から接点までの距離はどこも一定であるという当たり前の事実からの帰結だ。

 そのことだけからX,Y,Z,Wが同一平面にあるという結論が得られるのだが,それを納得するには,次のようなさらに巧妙な論法を使うとよいようだ。A,B,C,Dそれぞれに1/AX(=1/AW),1/BY(=1/BX),1/CZ(=1/CY),1/DW(=1/DZ)に比例する質量の質点を置き,これら4つの質点の重心を考えてみよう。質点AとBだけの重心はその質量のバランスから点Xである。同様に質点CとDだけの重心は点Zである。従って4つの点A,B,C,D全体の重心は線分XZ上にある。同様に質点BとCだけの重心は点Xであり,質点DとAだけの重心は点Wであるから,4つの点A,B,C,D全体の重心は線分YW上でもあることがわかる。もちろん4つの点の重心はただ1つだから,このことは線分XZと線分YWが交わっていることを意味し,その結果,接点X,Y,Z,Wが同一平面上にあるという結論が導かれる。

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