パズルの国のアリス

続・モグラ大学の卒業試験(問題)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 今月号も引き続き,モグラ大学の卒業試験の話にお付き合いいただきたい。先月号で述べたように,無限匹の住人がいるモグラ国でただ1つの大学であるモグラ大学では,ワンマン学長の主導で卒業生対象の最終試験が実施された。

 卒業予定のモグラ学生たちは無限匹いるが,1列に並ばされて,卒業証書代わりの角帽がかぶせられ,その角帽には1から5の5段階評価で卒業成績が大きく書いてある。自分に角帽がかぶせられるときは目をつぶっていなければならないから,自分の成績は見えない。他の学生の成績を見てそれを当てるのが試験問題だった。帽子がかぶせられたあとは学生間にはコミュニケーションの手段はない。

 先月号の最初の問題は,モグラたちは目が悪いから,自分の近隣しか見えないという前提だった。第2問は,モグラたちはどんな遠くの学生の成績であろうとそれが見え,しかも全員の成績をひと目で見てとれるという前提だった。今月号の問題もこの後者の前提で考えていただこう。ただし,今度の場合の課題は,許される誤答は1つだけというものだ。つまり,誤答が2つ以上あれば,学生たちは全員落第である。

 ただし,全員が同時に回答するならば運を天に任せるしかあるまいが,先月号とは多少やり方が異なる。卒業予定学生の中から総代が1人指名されるので,まず,その学生が自分の成績を推測する。他の学生は,その推測を聞いた後で,全員がいっせいに自分の成績を推測するのだ。

 このわずかな違いがモグラ学生たちに福音をもたらす。読者には,学生たちが確実に勝利するための戦略を考えていただきたい。学生が無限匹いる場合をいきなり考えるのは難しいかもしれない。学生数が有限匹の場合をまず考えて,その戦略を無限匹の場合に拡張することをお勧めする。その拡張の際には,また(悪名高い?)選択公理を必要とするだろう。そこで,解答欄に載せた先月の問題への答えが参考になるかもしれない。読者の健闘を期待する。

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