パズルの国のアリス

続・給仕長帽子屋のたくらみ(問題)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 しばらく開かれていなかったトランプ王国の晩餐会がまた催されることになった。例によって会場は三月ウサギの家の前の木陰だ。そこは,ヤマネ,帽子屋,三月ウサギの3人組がいつでもお茶会を催しているので,準備が簡単というわけである。

 読者は2009年12月号のパズルとその解答を覚えておいでだろうか? 晩餐会はトランプたち総勢52人がテーブルをぐるりと囲んで始まる。給仕長の案内で到着順に席に着き,各席の間に置かれたナプキンを取る。ところが,テーブルマナーに縁がないせいで,自分の席の両側にナプキンが残っていると,どちらかをでたらめに選んで取っていた。着席したとき,すでに自分の両側のナプキンを隣席に奪われていれば,その人は当然ナプキンにあぶれることになる。前回,給仕長役を任された帽子屋はすぐにそのことに気づいた。彼はお茶会の会場を乗っ取られた腹いせに,なるべく多くのトランプたちからナプキンを奪おうと着席順を画策し,だいたい平均で6人毎に1人の犠牲者を出すことに成功した。つまり,52人のうち8〜9人がナプキンにあぶれてしまったのだ。

 そこで今回は,「皆,左のナプキンを取るように」と指示をした……というなら話が簡単になるのだが,実はそうではなく,悪事をたくらみそうな三月ウサギや帽子屋は厨房に閉じ込めて席順について一切口を出せないようにし,ヤマネに給仕長を任せることにした。ヤマネは何の考えもないらしく,完全にランダムに,各人を席に案内している。

 ここで読者への問題である。この場合も,ある程度の人数がナプキンを手にできないのはやむをえないが,平均で何人ぐらいの犠牲者が出るかを考えていただきたい。52人での晩餐会の場合を正確に計算するのは大変だが,たとえば,3人や4人の場合ならどうだろうか? また,人数が増えていくと,ナプキンを手にできない人の比率は一定値に収束すると推測されるが,それはどのくらいの値だろうか?

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