パズルの国のアリス

賢者たちのチーム戦 (問題)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 先月号で述べたイモムシ探偵局主催の推理コンテスト大会の話を続けたい。各部屋でのコンテストは主に個人戦であったが,一部には団体戦もあったので,今回はそれについて紹介しよう。

 互いの帽子の番号は見えるのだから,団体戦ではもちろん,部屋に入って帽子をかぶせられたあとは勝手な情報交換は一切禁止される。その代わりにその前に好きなだけ相談して,戦略を練ることが許される。また,推理ゲームがどういうルールで行われるかということは,事前に完全に伝えられる。1つのコンテストは次のようなものだった。賢者たちは何人かでチームを作り部屋に入る。そして,自分にかぶせられた帽子の番号が奇数か偶数かを一斉に推測するのだ。ただし,各賢者は自分以外の帽子の番号がどうなっているかという状況を見て,事前の打ち合わせに従って自分の番号の奇偶性を答える。例えば,自分に見えている番号のうち半数以上が偶数なら「偶数」,そうでなければ「奇数」と答えるというのでも良いし,同じ番号が見えていれば「偶数」全部異なれば「奇数」と答えるというのでも良いし,もっと複雑な戦略でもかまわない。チームが一様な戦略を使わねばならないという制限もなく,チームの各メンバーがそれぞれ全く別の規則に従って答えても良い。ただ,見えている番号がどんな場合でも,当てずっぽうに答えることだけは許されない。チームの得点は正答率である。

 これだけなら,戦略と実際にかぶせられた帽子の番号との関係の運試しになるが,実は,これはチーム対抗戦であり,帽子のかぶせかたは相手チームが指定するのだ。しかも,各チームは自分たちが採用した戦略を事前に相手チームに公開せねばならないというルールである。だから,相手チームは当然正答率が最低になるようなかぶせかたを指定してくる。

 さて,このコンテストで,不思議の国のスペードチーム13人と鏡の国の白のチェス駒チーム16人が対戦した。双方が最善を尽くしたとして,どちらに軍配が上がったかを読者には予想していただきたい。

 次の部屋でのコンテストも似ていた。今度も,かぶせられた帽子の番号の奇偶性を当てるのは同じだが,チーム全員は一列に並ばされ,後ろの人からは前の人の帽子が完全に見えるが,前の人からは後ろが全く見えない。今度は,後ろの人から順に答えを聞いていき,前の人は後ろの人たちがどう答えたかを知ることができる。そのほかのルールは最初のコンテストと同じだが,当然,自分より後ろの人がどう答えたかということを各人の戦略要素の中に含めることができる。やはり,スペードチーム13人と白駒チーム16人が対戦したとき,どちらが勝ったであろうか。

解答はこちらです