パズルの国のアリス

アリス,マジックに再挑戦 (問題)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 グリフォンとアリスは,前に不思議の国と鏡の国の合同文化事業として行われた演芸会(2010年11月号)での マジックが好評を博したので,また 2人で何かをと頼まれてしまった。マジックの種はグリフォンが考えてくれたが,今回は,グリフォン自身はあまり舞台に出たくないと言うので,アリスが主に演ずることになった。といっても,1人ではできないから,(サンデイからサタデイまでの曜日にちなんだ名前を持つ)7匹のヤマネの姪たちが協力してくれることになった。失敗してはグリフォンに申し訳ないので,アリスたちは練習に懸命だ。

 さて,今度のグリフォン演出のマジックは次のようなものだ。会場に1から100までの番号を振られた箱を置き,アリスの見ていないところでその中に観客から預かった品物を入れる。外から見てもどの箱に品物が入っているかはわからないが,ヤマネの姪たちは入れるの見ていたので,もちろんどの箱か知っている。さて,その後,審判員からアリスに2つの番号が伝えられるが,1つは品物が入っている箱であり,もう1つは審判員がランダムに選んだもので審判員とアリス以外はその番号を知らない。その後,アリスは姪の1人に質問をする。それは,たとえば,「サンデイちゃん,ポットの中は快適ですか?」というもので,それに対してたとえばサンデイは「ハイ」または「イイエ」と答える。その後,アリスは正しい箱を選んで開け,品物を取り出すというわけである。

 選択肢は2つしかないので,自由な質問を許せば,答えが「ハイ」と「イイエ」しかなくとも,アリスは正しい箱を必ず知ることができる。たとえば「正しい箱は10番ですか?」と聞けばよい。しかし,このマジックが奇妙なのは,アリスの問いは,いつも「×××ちゃん,ポットの中は快適ですか?」というものであることだ。また,アリスに示された 2 つの選択肢を姪たちが知っているなら,正しい番号が大きいほうか小さいほうかを「ハイ・イイエ」で伝えることができるが,姪たちはもう1つの選択肢を知らない。

 このヤマネの姪たちとアリスとが演じたマジックは,無事,好評のうちに 終了したが,読者に考えていただきたいのは,このマジックの種である。アリスはどのようにして質問相手を選び,また,その相手はどのように答えているのだろうか。

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