パズルの国のアリス

続・何が何でも取り分は同じ(問題)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 読者は,2013年2月号の本コラムのパズルを覚えておられるだろうか? 喧嘩ばかりしているトウィードルダムとトウィードルディーの双子兄弟が少しは協力してものを考えるようにと,伯父が小遣いの与え方を工夫したという話である。1から8までの目がある正八面体のサイコロを4つ振り,出てきた目をそれぞれ4枚の小切手の額面に記す。その4枚を双子に渡し,2人の間で納得がいくやり方で分けるように指示した。ところが,相手に自分より1ペニーでも多く取られるのが癪なばかりに,2人が選択したのは,同額になるように分配できない小切手を伯父に返すというやり方であった。

 その揚げ句,結局,渡した小切手が全部自分に戻ってきてしまうこともあったので,ちょっと気の毒に思った伯父は,小遣いを少し増額するという意味も込めて,やり方を次のようにした。正八面体のサイコロは,ディーとダム,それぞれが8個ずつ振る。そして,出た目を額面として記した小切手をそれぞれに渡すのだが,2人ともそれを実際に受け取るには,お互いの承認が必要だということにした。振るサイコロの数を8個ずつにしたのは,7個以下だと,例えば,ディーのサイコロの目が全部1で,ダムの目が全部8だった場合,小切手の額面総額を合わせることができないから,2人とも相手の小切手受け取りを承認することがないだろうと思った伯父の恩情からである。案の定,2人とも,自分と相手の受け取る小切手の総額が同じにならない限り,相手の分を承認しようとはしなかった。

 さて,ここで読者に考えていただきたいのは,この伯父の恩情が必ずうまく作用するかどうかだ。サイコロを8個ずつ振っても,目の出方によっては,2人の受け取る小切手の総額が同じにできず,受け取り額がゼロになってしまうことがあるだろうか? もしそうなら,どういう目の場合にそうなるだろう? そういうことが決してないなら,その証明を与えてほしい。

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