パズルの国のアリス

フレームと筋交い(問題)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 田の字形のフレームを前に大工が難しい顔をしている。よく見るとフレームは少し歪んでいるようだ。

 「なんだ?そりゃ」とセイウチが大工の背に声をかけた。大工はセイウチを振り返って,「ああ,今度もチェス王室からの依頼で格子状のフレームを作れというんだ。ただし,使わないときには小さく折りたためるようにという注文だ。それで試作したのがこれさ」。

 「フレーム枠の一つ一つは同じ長さの細い金属板で作ることにして,その端同士をビスでつないで,そこを関節にして自由に曲げられるようにした。ほら,こんな風にさ」と言って,大工は田の字形のフレームを曲げて見せる。

「もちろん,実際に使うときは,こんなにグニャグニャでは具合が悪いから,×字形の筋交いを格子マスに入れて,固定しようというわけさ。こんな風にね」

 「そこまではいい。ところが,チェス王室のやつら,予算が限られているので,使う筋交いの数をなるべく少なくしろというのさ。力はさほどかからないのでとりあえず全部のマス目が正方形の形を保てればよいのだが,筋交いはそんなにやたらに減らせるものではない。例えば横1行の全マスから筋交いを抜いてしまうとこんな風に潰れてしまうからダメだ。同様に縦1列の全部もダメだ」

 「なるほど」とセイウチ。「各行各列のどこか1マスには筋交いがいるというわけだな。じゃ,対角線上のマスだけに筋交いを入れたら……おっと,今度はこんな風に歪むのか。これじゃダメだ」。

 「そう。試作したこの田の字形のフレームの場合,どこか3カ所に筋交いを入れれば,どうやら安定するようだ」と大工。

 「しかし,もちろん,王室からの注文はこんな2×2のフレームではなく,もっとサイズの大きいものだから,一体,筋交いを何カ所どこに入れたらよいものかと考えていたのさ」

 というわけで,読者に考えて頂きたいのは,上のような平面フレームでサイズm×nのものがあるとき,筋交いがどのように入っていれば,(小さな力を加えても)全体が安定した長方形の形に保たれるかということだ。

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